2011-01-01から1年間の記事一覧

不自然なスポーツ界

現在、大阪ドームで第82回都市対抗野球大会が開催されているが、いつも違和感を抱く。これは都市対抗ではなく「企業対抗」だろう。企業名が大きく前面に出て都市名は小さく表示されのみ。たかが一つの野球大会だが、しかしここにはスポーツ界が抱える悪い…

お金は何のためにあるのだろう

お金は何のためにあるかと問えば、やはり使うためにあるはずだ。しかし日本社会では、お金は貯めるためにあるかのようである。特にお年寄りを見ていると使うのはもったいないと、コツコツ貯めることに精を出している。この先何が起きるか分からない、万が一…

本当の生きかた

イライラする 地上ではなにをやってもダメ 腹が立って腹が減って 地上はムカムカするコノヤローとゲンコツを突き上げる 拳がてっぺんに穴をあける 空を引き裂き天を覗くと 神さまがのたうちまわる 虚栄と欺瞞の神さまたち 強欲に浮かれた醜い万の神さまたち…

成功と失敗

私のような凡人には、他者の不幸を見て自分のささやかな幸せを実感するところがあり、哀れな他者と比較しつつ自分の優位性に安心する。いかにも庶民的な、器の小さな感情だが、おそらく多くの人々は自らを省みて頷くのではないだろうか。 ところで、身の周り…

遠くの景色

旅行に出かけ、ホテルや旅館に宿泊したとき景色を眺めたくて部屋の窓を開けると、目の前にマンションの壁や工場の塀が迫っていたらガッカリするだろう。海や山や湖や草原の風景を売る旅先で、もし泊まった部屋から景色が望めなかったら宿泊料金は値引きして…

ギリシャ危機の背景

ギリシャの財政が破綻寸前で、債務不履行にでもなればヨーロッパのみならず米国や日本にまで波及し、全世界が経済危機に陥るかもしれない・・・と、連日ニュースで取り上げられている。観光が主な収入源のギリシャだが、なんと公務員数は国民の25%、税金逃れ…

デモとストライキ

「ウォール街を占拠せよ」「私たちは99%」をスローガンに、米国のニューヨークで始まった経済格差是正のデモは世界中に広まり長期化しつつある。日本でも東電福島第一原発事故による放射能拡散の恐怖から各地で反原発・脱原発のデモが頻繁に行われており…

銭湯が町から消えてゆく

家に風呂はあるが、古くて窮屈で、入っても慌ただしく身体を洗うだけ、のんびりゆったりした気分に浸ることなどできない。だから週に一度は銭湯に通っている。 銭湯が好きだ。東京で長く暮らしたが、ずっと風呂無しアパートだった。好きも嫌いも銭湯に通うし…

数え切れぬ多くの人々が道を通り過ぎた 道は荒れ果て 道は汚物にまみれてしまったとうとう 最後の人が道を歩いてゆく ・・・・・・ 時は過ぎて 何もかもが腐敗し浄化され 道らしき痕跡だけが残されるいずれまた新たな人が歩くかもしれない あるいはだれも歩かない…

電気製品のトラブル

いつも使用している電気製品が故障して困った経験をしたことは誰にでもあるだろう。自宅や職場で様々な機器類に囲まれている私たちにとって、たったひとつでも動作不良になると生活のリズムが狂い精神衛生上にも影響を与える。 何十年も使用して明らかに寿命…

電気製品の宣伝

テレビや冷蔵庫や洗濯機などの従来品から、パソコンやモデムや携帯電話などのIT機器まで、家の中は電気製品で溢れている。とても便利で私たちの生活に欠かせないものばかりだが、しかしそれらの宣伝には戸惑うことが多い。 例えばエアコンなどは典型で、映…

映画「エクソシスト」再見

表現されたものは時間の経過とともに評価が変わる。その理由は、鑑賞者が年齢を重ねながら経験を積み、ものの見方や捉え方が多面化することで思考が深まり、人生観や世界観が変化するからだろう。 映画専門チャンネルの半年ほど前の作品がレコーダに残ってい…

認知症と付き合う

実家に帰郷しておよそ2年半が経過。帰ってすぐの頃の母親はもの忘れがそれほど激しくはなかった。自分の年金をはじめ、胃腸や高血圧予防の薬、そしてビタミン剤などはそれなりに上手に管理していたようだったが、ある時期から様相が急変する。自分のお金の…

認知症と向き合う

いま私(57歳)は高齢の母親(92歳)と実家で一緒に暮らしている。母親はいまのところ食事や風呂やトイレなど自分のことは最低限なんとか一人でもできるが、しかし物忘れはかなり進行し、お金や薬の管理は難しく、日付や曜日も、食事の内容も、つい20…

人間の心理 その2(経験を超えて)

前回の日記で、初めて店に来た客には二つのタイプがあることを述べたが、もちろん事はそんな単純ではない。なにも喋らず二度と来なかった客もいれば、最初から印象が良くて常連になってくれた客もいる。しかし「いい店」とか「また来ます」と初めての客が口…

人間の心理 その1

じつは私は、東京の新宿歌舞伎町で10年以上、11年近くBARを経営していた。夜の7時から翌朝まで営業。昼夜逆転。生活は苦しかったが毎日が楽しかった。さまざまな人とすれ違った。人々との出会いは自分自身を見つめるまたとない機会となり、特にお客…

空の風景

金沢市の観光名所に「金沢21世紀美術館」がある。2004年10月に開館し、今年8月には総入場者数が1000万人を突破したそうで、近年の美術館としては大成功した部類に入るらしい。私は散歩がてらにときどき訪れては雰囲気を楽しんでいる。 円形の美…

二つの窓

窓をあけると向こう側にも窓がある 手が届くところに似たような窓がある窓と窓のあいだでは 陽が照り 雨が降り 嵐が吹き荒れる 窓と窓のすきまでは 欲望が渦巻き 激しい恋と憎悪が芽生える 窓と窓のつづきでは 革命が起きる 創造と破壊が何度も繰り返される…

原子力を学ぶ

原子力発電の是非に関し推進派や擁護派が巻き返しを図っているが、彼等にとって大義名分は経済力のためのエネルギー不足である。ところが推進派や擁護派から放射性廃棄物の管理・処理について具体的な対策を聞いたことがない。放射性廃棄物をどうするのか?…

奇跡とは何か

私は宗教に疎い人間である。三大宗教と呼ばれる仏教もキリスト教もイスラム教も中身は詳しく知らない。仏教に関する書物はほとんど読んだことがない。聖書もコーランも同様である。しかし私は人間であり、一個の人間としてさまざまな現象を考察することはで…

原発事故を風化させるな

どんな事故も事件も時間の経過とともに人々の記憶から薄れてゆく。大地震と大津波、そして原発の大事故、想像を絶する3月11日の東日本大震災ですら、わずか半年で報道量は目に見えて減少してきた。 地震や津波などの自然災害は、行政の取り組みに不備があ…

格差の拡大

東京を離れ地方で暮らすと自家用車の比重がとても大きいことを実感する。金沢市などは典型で、盛況を誇ったかつての商店街は廃れ、スーパー、電気量販店、病院、書店、雑貨店・・・等が大型化して郊外に分散した。市街地の公共交通手段はバスとタクシーだけ、電…

夢の話

睡眠中はだれもが夢を見る。最近の私は夢を見たことだけは覚えているが、どんな夢だったか忘れてしまうことが多い。それでもハッキリした夢をたまに見るが、それはほとんどが嫌な世界で目覚めたときにはホッとすることが多い。 人生には楽しいことも辛いこと…

情報格差の問題

コンピューターとインターネットの普及は、便利になる一方で情報格差を生み出す。世界的には、北米、西欧、日本、韓国・・・「先進国」を中心に情報網の整備は進むが、「発展途上国」の情報インフラは遅れている。これは経済格差とほぼイコールに違いない。 日…

河川敷を散歩しながら

私の住居のすぐ傍ではS川が流れる。河川敷を行ったり来たり、私はよく散歩する。奇麗に刈り取られた芝生の緑、青い空と白い雲、遠くに連なる山々のシルエット、そして水のせせらぎ、いつまでも眺めていたい。 カルガモの親子が泳ぎ、サギは魚を狙って微動も…

言葉の意味は文脈で判断したい

「死の町」と「放射能をうつす」発言により鉢呂経済産業大臣が就任後わずか9日目であっさり辞任した。この辞任劇の背景に疑問を感じるので、鉢呂氏のみを安易に糾弾する気にはなれない。偏向報道で「辞任に追い込まれた」が真相だろう。それでもやはり大臣…

民主主義への道は長い

ちょうど2年前の総選挙で自民党が敗北、民主党が大勝して政権交代が実現した。それから2年間、民主党もすっかり自民党のようになってしまった。 今回、新たに選任された野田佳彦という総理大臣がいつまで持つか分からないが、もし長期政権になるなら、それ…

アートプロジェクトと青空文庫

インターネットは数々の不可能を可能にしてきた。遠く離れた大勢の見知らぬ者同士が意志疎通できるようになり、そして手が届かなかったこれまでの知的領域を共有財産として誰もが利用できるようになった。 数え上げればキリがないが、不可能を可能にした代表…

書物の効用

夢とは無縁の不眠症は現実そのものに支配されているのだろう 眠れない人生はまどろみの悦楽を知らず大変な不幸を背負うことになるだろう 原因はおそらく本人の無意識の領域における理想と現実のズレが痛みのない傷口として険しい 渓谷の断崖絶壁のように裂け…

共有して失う恐れを克服しよう

東京に住んでいたとき高級住宅街で有名な田園調布を見学したことがある。噂どおり大きな車庫を構えた豪華な住宅ばかり、まるで別世界のようだった。西洋の城をソックリ真似た威厳たっぷりな建物から、緑豊かな広々とした庭園を誇示する屋敷までいろいろ並ん…