2012-01-01から1ヶ月間の記事一覧

庶民だなぁ

先日、新しいブーツを購入するため近くのスーパーに出かけた。2年前の冬、同じ場所で安売りのブーツを買ったが、何度も履くうちにパックリと裂け目ができて、雨や雪の日に水漏れするようになったから。安売りを再び期待して出かけたわけだ。 広い店内の靴売…

普通ってなんだ

ミステリー小説なんかを読み始めると―― 「都内○○区の分譲マンションで暮らす一家4人は、52才の父親と48才の母親、そして23才の息子と18才の娘。父親は一流電機会社の営業部長、母親は専業主婦。中間管理職の夫は上司と部下の板挟みで気苦労が絶えな…

IT機器類に囲まれて

車の本来の役割は、目的地まで人や物を運搬すること。人力だけで歩いたり走ったりするよりも、より速く、より多く運搬できることに車の便利さがある。しかし、車には何かを運搬するだけでなく、運転自体に意義を求めることもできる。車好きで、車が趣味の人…

欠落した視点

テレビや新聞の大マスコミ、さらにインターネットメディアなど、主流に登場する評論家の多くの意見はいかにもその通りで、それらを読んだり聞いたりする限り、可もなし不可もなし。しかし、よくよく吟味すると、彼らの意見には決定的に欠落した視点があるこ…

訂正とお詫び

2011年度・第85回キネマ旬報ベストテンで第一位を獲得した新藤兼人監督作品「一枚のハガキ」に関して。 この作品が金沢で未だ上映されていないと1月19日の記事「キネマ旬報ベストテン」で書きましたが、これは私の間違いでした。 実際は、昨年11…

券売機について

今やどこにでも券売機が設置され、乗車券や入場券はたいがいそれで用を済ませる。人の手を借りることもなく便利といえば便利だが、しかし券売機はない方がいいと思う場所がある。 券売機が不要だと思う一番の場所は飲食店だ。歴史を感じる佇まいや癒しの雰囲…

キネマ旬報ベストテン

2011年度・第85回キネマ旬報ベストテンが発表され、日本映画では新藤兼人監督の「一枚のハガキ」が、外国映画ではロマン・ポランスキー監督の「ゴーストライター」が、それぞれ第一位を獲得した。以下、選出された十位までの作品が紹介されている。こ…

世界一の電車

映画好きな私が東京を離れるとき「新文芸坐」に通えなくなるので辛かったが、もうひとつ「山手線」に乗れなくなることも寂しく思った。 私は乗り物では自動車が嫌いでマイカーは所有していないが(もともと車を持てるほど余裕ある生活環境ではないけれど)、…

本当は孤独なのだ

東京を離れるまで新宿歌舞伎町でBARを10年以上経営していたが、その前は長らく普通の会社員だった。そんな随分昔の会社員時代のことをときどき思い出す。 私にとって会社勤めは全然面白くなかったが、その理由は誰からも理解されずに孤立している自分を…

接吻

人間同士が繋がろうとする行為の中で「接吻」はとても艶めかしい。下半身の性器による結合と、上半身における唇を重ね合わせる接吻は、違う者同士がなんとか一つになるための肉体的な営みである。だが、レイプが暴力そのものであるように、同じ接吻でも性愛…

映画作品の変化

技術の進歩は生活様式を大きく変える。映画はまだ百数十年の歴史だが、短期間に無声からトーキー、カラー、大型スクリーン、CG、そして3Dと目まぐるしく変貌しつつ、それに伴い手法や中身が変わり、私たち観客の意識に影響を及ぼしてきた。 日本映画も外…

映画は映画館で観たい

映画館の形態も様変わり、今やシネマコンプレックス(シネコン)の全盛だ。設備が最新で、人の頭が邪魔にならないよう設計され、椅子もゆったりしてとても鑑賞しやすい。そんなシネコンを、私もときどき利用している。 ところで多くのシネコンは、総合ビルの…

シネモンド

金沢市の香林坊という繁華街の中心部に複合商業施設「109」が建っている。その4階に「シネモンド」という映画館があり、そこは石川県内唯一のミニシアターとしてとても貴重な文化施設となっている。 私にとって長い東京生活はいろいろ大変だったが、少な…

2012年はどうなるだろうか

年末から年始にかけてのトップニュースは、逃亡中のオウム真理教(現アレフ)元幹部の平田信容疑者が大晦日に逮捕されたことだった。年明け後は、餅をノドに詰まらせてお年寄りが亡くなったとか、火事で民家が焼けて犠牲者が出たとか、冬山で遭難が相次いだ…

曇天の切れ目から

北陸金沢の冬は、雨や霙、霰や雪の繰り返しである。曇天つづきの空模様だが、それでも時折、雲の切れ目から澄み切った上空を覗ける。短い晴れ間だからこそ、それが夜の時間帯だと星々の輝きがひときわ美しい。 この季節の夕暮れ時、西の空では金星が眩しいほ…

あなたは黙って耐え抜いた 踏まれ傷つき罵られても あなたは愚痴をこぼさなかった だがすべてを支えてきたせいで あなたはすっかり疲れてしまったようやく空から使者が降りてくる あなたを包んでくれる 深い眠りに誘うよう あなたを冷たく包んでくれる なに…