2011-09-01から1ヶ月間の記事一覧

空の風景

金沢市の観光名所に「金沢21世紀美術館」がある。2004年10月に開館し、今年8月には総入場者数が1000万人を突破したそうで、近年の美術館としては大成功した部類に入るらしい。私は散歩がてらにときどき訪れては雰囲気を楽しんでいる。 円形の美…

二つの窓

窓をあけると向こう側にも窓がある 手が届くところに似たような窓がある窓と窓のあいだでは 陽が照り 雨が降り 嵐が吹き荒れる 窓と窓のすきまでは 欲望が渦巻き 激しい恋と憎悪が芽生える 窓と窓のつづきでは 革命が起きる 創造と破壊が何度も繰り返される…

原子力を学ぶ

原子力発電の是非に関し推進派や擁護派が巻き返しを図っているが、彼等にとって大義名分は経済力のためのエネルギー不足である。ところが推進派や擁護派から放射性廃棄物の管理・処理について具体的な対策を聞いたことがない。放射性廃棄物をどうするのか?…

奇跡とは何か

私は宗教に疎い人間である。三大宗教と呼ばれる仏教もキリスト教もイスラム教も中身は詳しく知らない。仏教に関する書物はほとんど読んだことがない。聖書もコーランも同様である。しかし私は人間であり、一個の人間としてさまざまな現象を考察することはで…

原発事故を風化させるな

どんな事故も事件も時間の経過とともに人々の記憶から薄れてゆく。大地震と大津波、そして原発の大事故、想像を絶する3月11日の東日本大震災ですら、わずか半年で報道量は目に見えて減少してきた。 地震や津波などの自然災害は、行政の取り組みに不備があ…

格差の拡大

東京を離れ地方で暮らすと自家用車の比重がとても大きいことを実感する。金沢市などは典型で、盛況を誇ったかつての商店街は廃れ、スーパー、電気量販店、病院、書店、雑貨店・・・等が大型化して郊外に分散した。市街地の公共交通手段はバスとタクシーだけ、電…

夢の話

睡眠中はだれもが夢を見る。最近の私は夢を見たことだけは覚えているが、どんな夢だったか忘れてしまうことが多い。それでもハッキリした夢をたまに見るが、それはほとんどが嫌な世界で目覚めたときにはホッとすることが多い。 人生には楽しいことも辛いこと…

情報格差の問題

コンピューターとインターネットの普及は、便利になる一方で情報格差を生み出す。世界的には、北米、西欧、日本、韓国・・・「先進国」を中心に情報網の整備は進むが、「発展途上国」の情報インフラは遅れている。これは経済格差とほぼイコールに違いない。 日…

河川敷を散歩しながら

私の住居のすぐ傍ではS川が流れる。河川敷を行ったり来たり、私はよく散歩する。奇麗に刈り取られた芝生の緑、青い空と白い雲、遠くに連なる山々のシルエット、そして水のせせらぎ、いつまでも眺めていたい。 カルガモの親子が泳ぎ、サギは魚を狙って微動も…

言葉の意味は文脈で判断したい

「死の町」と「放射能をうつす」発言により鉢呂経済産業大臣が就任後わずか9日目であっさり辞任した。この辞任劇の背景に疑問を感じるので、鉢呂氏のみを安易に糾弾する気にはなれない。偏向報道で「辞任に追い込まれた」が真相だろう。それでもやはり大臣…

民主主義への道は長い

ちょうど2年前の総選挙で自民党が敗北、民主党が大勝して政権交代が実現した。それから2年間、民主党もすっかり自民党のようになってしまった。 今回、新たに選任された野田佳彦という総理大臣がいつまで持つか分からないが、もし長期政権になるなら、それ…

アートプロジェクトと青空文庫

インターネットは数々の不可能を可能にしてきた。遠く離れた大勢の見知らぬ者同士が意志疎通できるようになり、そして手が届かなかったこれまでの知的領域を共有財産として誰もが利用できるようになった。 数え上げればキリがないが、不可能を可能にした代表…

書物の効用

夢とは無縁の不眠症は現実そのものに支配されているのだろう 眠れない人生はまどろみの悦楽を知らず大変な不幸を背負うことになるだろう 原因はおそらく本人の無意識の領域における理想と現実のズレが痛みのない傷口として険しい 渓谷の断崖絶壁のように裂け…

共有して失う恐れを克服しよう

東京に住んでいたとき高級住宅街で有名な田園調布を見学したことがある。噂どおり大きな車庫を構えた豪華な住宅ばかり、まるで別世界のようだった。西洋の城をソックリ真似た威厳たっぷりな建物から、緑豊かな広々とした庭園を誇示する屋敷までいろいろ並ん…

人はなにを恐れるのか

人間には怖いものがいっぱいある。いつ発生するかもしれない大地震とそれに伴う大津波、大型台風、豪雨、豪雪、竜巻、猛暑、山火事・・・それら自然災害は恐怖だ。さらに、原発の爆発、飛行機や列車や自動車の事故、強盗や殺人事件・・・等々。怖い、怖い。 だが、…