二つの窓

窓をあけると向こう側にも窓がある
手が届くところに似たような窓がある

窓と窓のあいだでは
陽が照り 雨が降り 嵐が吹き荒れる
窓と窓のすきまでは 
欲望が渦巻き 激しい恋と憎悪が芽生える
窓と窓のつづきでは
革命が起きる 創造と破壊が何度も繰り返される

目の前にいつも見慣れた窓がある
手を伸ばせば触れられるところに窓がある
あけてみたいがあけられない
内側からの鍵が解かれるまで待つしかない

いつの日か閉ざされた窓もひらくだろう
そのときは恥ずかしがらずにあいさつしよう