情報格差の問題

 コンピューターとインターネットの普及は、便利になる一方で情報格差を生み出す。世界的には、北米、西欧、日本、韓国・・・「先進国」を中心に情報網の整備は進むが、「発展途上国」の情報インフラは遅れている。これは経済格差とほぼイコールに違いない。

 日本国内でも、東京を中心とした大都市圏では先端を走っているが、地方は取り残されている。石川県の金沢市に住む私など、かつて東京に長く住んでいたからこそ情報格差の実態が分かる。金沢市はそれでも恵まれている方で、もっと田舎になればコンピューターとインターネットの恩恵を受けられない人々はまだまだ多い。

 さらに、個人間でも情報に精通している人と、そうではない人との差は大きい。パソコン、ケータイ、スマートフォンタブレット・・・等々が普及し、多くの人が何らかの形でそれらの機器に触れるようになったが、IT関連の専門用語を理解できる人は少なく、圧倒的大多数にとってそれはチンプンカンプンだろう。

 ところで、私は物を大切にしてきたとの自負があり、そんな私はWindows95のパソコンを12年近く使用していた。しかし、その間、新製品に関わりを持たなかったせいですっかり情報難民になってしまった。3〜4年ほど前に新しいパソコンに替えてから、ようやく世間のIT情況が多少は理解できるようになったが、恥ずかしながら最近までBSとCSの区別も、HDMIケーブルも、記憶媒体の種類も・・・、ほとんど知らなかった。

 直接携わることで何事も理解できるものだが、情報機器や通信手段に関してまだまだ理解不能である。新しいハードウェアやソフトウェアが次々登場するので、正直とてもついていけず、相変わらず難民を自覚している。自動車はエンジンについて詳しく知らなくても免許があれば誰もが運転できるように、情報や通信についてもあまり深刻にならない方がいいのだろうか?

 しかし、現実に情報格差とは社会格差そのものだ。私のような一般人にとって10年前は想像もしなかった技術がIT関連は実現させた。いや、たった5年ほどでガラリと変貌する。情報機器や通信手段を使いこなせるかどうか、格差は益々広がりそうである。