保険と軍備

 私と同様多くの人が国民健康保険以外にも、民間の保険にいくつか加入しているに違いない。なぜ保険に頼るかと言えば、万が一に備えてのこと。どんなに健康に自信があろうと、年を取るに従い、いつかケガや病気になる自分を想像して不安になるからだ。

 軍備は保険と似ているところがあり、軍事費も国(国民)を守る名目のため、万が一に備えようとする。いずれ戦争が始まることを前提にしているかのように軍備はどんどん増強されてゆく。

 しかし、よくよく考えれば、ケガや病気や戦争を前提に多額のお金を費やすことは何だか変である。なるべくケガや病気をしないように気をつけることがより大切だし、戦争が起きないようにいろいろ工夫することの方が、当然ながらより重要だからだ。

 保険と軍備はお金を遣うという意味では似ているが、とはいえやはり全然違う。一応保険は自分の身体を守りたいから渋々加入するが、一方軍備は防衛を口にしながら他者の命を脅かし威嚇することが目的で増強に果てがない。

 いずれにせよ、保険や軍備に多額のお金は遣わない方が賢明である。健康維持・増進のためにお金を遣う方が有意義だし、軍備にお金などまったく必要なく、人を殺傷する武器への投資ほど無駄で無益な試みはない。

 さて、今日は朝から快晴、絶好の洗濯日和だった。ウクライナパレスチナ、さらにミャンマー、世界各地で紛争や内戦、クーデターが繰り返される現状で、空模様を気にしながら洗濯物を干せる自分はなんて幸せ者か。

 どんな人にも空を眺める日常がある。天候に一喜一憂するけど、空を眺めるひと時は日常で重要な部分を占めるだろう。陽が照り、雨や雪が降る、それら自然の恵みのありがたさ。砲弾が降ってくる空など誰が望むか。どうか、戦場に一日も早い安心と安定を、平和構築にこそ資金を。