暗澹たる気持ち

 人類はこれまで数々の発明品を産み出してきたが、中でも影響力が大きい最たるモノは「金(カネ)」と「神」だ。この両者は人類に幸せを与えるより、むしろいつの時代でも不幸を撒き散らしてきた。金(カネ)と神は常に結託し、人々を支配しようとする。

 今の時代にカネは人々が生きるため最小限必要かもしれないが、しかし神はこの世から消え去っても人々は全然困らない。なぜ断定できるかというと、初めから神など存在しないから。

 人知を超えた神など存在しないので、自分たちに都合の良い神を勝手に創造、それに惑わされる人々が大勢いて、次から次へと悲劇が再生産される。世界で最も不幸な出来事の一つは「作りモノの神」同士の争いだ。

 イスラエルイスラム組織ハマスが事実上戦争状態に。ただし、これはユダヤ教イスラム教の戦いではなく、侵略者とそれに抵抗する勢力との戦いであり、ハマスの行為は容認できないが、長い目で見るなら非は明らかにイスラエルにある。

 パレスチナ人が封じ込められてるガザ地区イスラエルが「完全封鎖」し、電気や食料、燃料を遮断するという。ガザで生きる一般のパレスチナ人に逃げ道はなく、より悲惨な事態が今後予想される。

 ロシアがウクライナに侵略して始まった戦争だけでもウンザリなのに、世界の火薬庫中東のパレスチナの地でまたまた危険な炎が燃え上がった。世界は益々分断されそうで、地球人の一人として暗澹たる気持ちになる。

 ウクライナ戦争はいつまで続くんだろうか。パレスチナの地にいつ平和が訪れるんだろうか。気候変動で生態系はどうなってしまうんだろうか。激動する世界情勢は人類をどこへ導こうとしているのか。

 今、日本という地域では直接紛争に巻き込まれていないから表向き平穏だが、原発、旧統一教会、ジャニーズ、物価上昇、少子高齢化、人手不足…多くの問題が山積し、政治があまりにデタラメなので明日どうなるのか不安だけが増す。一方向へ回転し始めた歯車を止めることはなかなかできないが、しかし悪い流れに身を任せたくない。自分を見失わないことが肝心。

 個人として私が今できることは一体なんだろう。とりあえず冬の準備をする、住居環境を整える、健康に気をつける…それらで精一杯の私。ただ、いつも自分に言い聞かせるのは「社会に絶望しても、自分には絶望しない」。