宗教(神)とカネ(金)

 歴史上、人類が発明したものの中で、最も影響を与えてきたのが「宗教(神)」と「カネ(金)」。この両者は密接に結びつき、時の権力にまとわりつき、数えきれぬ大勢の人々を苦しめてきた。 

 何かに縋りたくなる人間の心情は理解できるし、だから私は宗教を否定する者ではない。だが、カネを巻き上げ、一つの価値観を押し付け、マインドコントロールしようとするなら、そんな宗教は真っ平御免である。そもそもそんなものを宗教と呼べるのか。

 見せかけの宗教団体で実態は巨大詐欺集団の旧統一教会(世界平和統一家庭連合)が、安倍晋三を銃撃した山上徹也の供述から再び注目を浴びるようになった。いろいろ名前を変えながら様々な組織・団体を形作り社会に蔓延る旧統一教会、これは宗教団体ではなく、単なる悪徳詐欺集団である。

 旧統一協会のような詐欺集団に限らず、ニセ宗教団体の特徴とは、あの世(来世)、天国や地獄、神、仏、霊、サタン…等々の言葉をやたら使いたがること。これらを聞いただけでニセ物だと分かる。

 信仰が足りないからあの世では救われず、救われたいならもっとお布施(金品)要求するとしたら、トンデモ宗教団体を宣言してるようなもの。

 その宗教が偽物か本物かの見極め方の一つは、来世で人を救おうとするか、それとも現世で人を救おうとしているかだ。信者であろうとなかろうと、多くの人々が苦しんでいる現実世界で、身を挺して彼らを救おうとするのが本物の宗教だろうが。不安を煽り善良な人々から多額の金を巻き上げるなんて、悪の所行そのもの。

 キリスト教でもイスラム教でも仏教でも…「人を救う」と言いながらこれまで逆に大勢の人々を苦しめて来なかったか、全ての宗教団体は猛省する必要がある。教会やモスクや寺院が大きくなればなるほど、それは堕落を象徴してるような気がしてならない。