テレビは処分したけれど

 テレビを処分して清々したと以前書いたが、替わりにラジオを聴いたりインターネットでYou Tubeを見る機会が増えた。情報手段に影響されず、落ち着いた自分だけの静かな時間を確保したかったはずなのに。

 ラジオは聴きながら他の事もできるからまだいいが、You Tubeはテレビと同様それはできない。それでもYou Tubeは無数のチャンネルから自分の好みを選択できるので、少なくともテレビより能動的と言えるかもしれないが。

 ただ、ラジオもYou Tubeもくだらないどうしょうもない番組がやはり多く、ダラダラ視聴するのは時間の無駄である。テレビは典型的な洗脳装置だが、ラジオもYou Tubeも洗脳装置であることに変わりない。

 特に最近のYou Tubeはコマーシャルが頻繁で、中には相当怪しげなのもあるから要注意だ。コマーシャルだけじゃなく、番組自体も自己主張が激しく、自分を売り出したいのか、視聴回数を増やすため番組そのものがコマーシャルと化している。

 インターネットのニュースサイトに目を通していたら、You Tubeで90秒ほどのショート動画の再生回数が急増、従来形式の配信動画の再生回数を上回ったという記事を読んだ。コスパとかタイパが流行ってる現在、そうなるだろうな、と妙に納得してしまった。

 それにしても、たかが10~15分ほどの番組さえ、今の若者には長すぎて退屈なのかと勘繰ってしまう。1分~3分の配信動画を次から次へと覗き見したがるようでは、例えば2時間前後の映画作品をじっくり鑑賞できるわけがない。

 若者を中心に新聞も本もまったく読まない人たちが増えているが、これは将来的に非常に悪い事態だと思わずにはいられない。映画鑑賞は単に観るだけでなく切り替わる画面の間を読む要素が内在しており、それが脳の活性化を促すわけだが、TikTokのようなショート動画は、見るだけ、流されるだけ…バカになるだけだ。