健康中毒

 2週間先までの天気予報を見るとずっと晴れマーク。最高気温も34℃から、35℃、36℃、そして37℃へとどんどん上昇するばかり。こんな長期に渡る暑い夏は我が人生において初めての経験。

 世界気象機関もこの7月の平均気温は7月として観測史上最も高くなると発表。先月の平均気温も観測史上最高の6月だったらしく、2ヶ月連続。今後どの月も平均気温が史上最高を更新し続けるかもしれない。

 連日暑くて本当にウンザリ。それでも、日中どうしても用を済ませねばならないときなと渋々外出するが、この炎天下に、なんと街中をランニングしてる人を見かけてビックリする。帽子も被らず、汗を吹き出し、顔を歪めながら、まるで辛い修行になんとか耐えているかのようだ。

 この炎天下にランニングしてる人、どう考えてもまともじゃないよ。わざわざ火の中に身を投じているかのごとく、側から見てるだけで苦しくなる。これじゃ身体を壊すだろうし、熱中症に罹らない方がおかしい。走ることを日課にしてるとはいえ、ここでサボると自分に負けると思い込んでるのか。

 何のために走るのか、何のための健康か、真面目で完璧主義な人ほど自分を追い詰めると聞く。ギャンブル、アルコール、ニコチン、セックス、麻薬…昔から世間ではいろんな中毒が蔓延ってるが、今現在流行りに流行ってるのが健康中毒である。

 テレビ、新聞、インターネット…それらのメディアからは、呆れるほど健康に関する情報が溢れかえり、人々に健康増進を促す。それで多くの人々が新興宗教に洗脳されたかのように健康に平伏し、まるで「健康」が神になってしまったかのようだ。

 確かに健康は人間が生活する中で最も大切な要素とはいえ、健康への盲信で人々が余計にストレスを抱え込んではいないか。健康のため、あれもこれもと取り入れ時間と金を浪費するとしたら本末転倒。

 健康になりたければどうすればいいのか。難しくややこしく考える必要はまったくない。①バランスの良い食事、②適度な運動、③7~8時間の睡眠、これで十分。