知識欲と気分転換

 人の才能はピンからキリまで。どんな人も必ず何かの才能を秘めており、それを発掘して進展させられるかどうかが問題。短期間で自分の才能を開花できる人は幸せだが、畑違いの分野に飛び込み、いくら努力しても目が出ない人もいる。

 私はどちらかといえば後者のタイプ。結局は才能を埋もれたままにして終わるのだろうが、ただ特定の分野への才能のあるなしとは別に、社会を生きるひとりの人間として国内外に関する様々な知識は得たい。

 かりに私に特別な才能が備わりそれを自覚していようと、同じ才能を秘めた他人が10年で完遂できることも、おそらく私は20年、30年経っても他人に追いつけないと思う。だがそれでも私は構わない。

 特定な分野で才能を開花できても、果たしてどのレベルまで到達すれば十分と判断できるのか、人それぞれで判断は難しいが、それ以前に、どんな分野でも学ぶこと自体を面白がるなら、それはそれでとても良いことだ。

 そんな私が気分転換のためIT機器を持ち出し、街中のコーヒーショップでパソコンを開いたりするが、例えばショッピングモールの休憩所などは足を運びやすいとはいえ、販売セールのテープを大音量で繰り返し流してばかりの環境では、あまりに煩くてパソコンに全然集中できずイライラする。

 一方、無料の図書館はとても便利でありがたい場所だが、静か過ぎて変に音を出してはいけないという妙な緊張感に包まれ、却って集中できなかったりするから困る。

 読書や勉学に集中できる場所がどこにでもありそうで意外と見つからない。東京で暮らしていた頃、山手線や中央線など電車内が心地良かったのは車両のガタン、ゴトンや、乗客のざわめきなどが適度なBGMになっていた。

 耳障りしない雑音がして、しかも落ち着けるどこか適度な場所はないだろうか。BGMの音量を自在に調整でき、インスタントコーヒーも好きなだけ飲める、結局は自分の家が一番ということか。