スポーツの世界大会にウンザリ

 私はサッカーを含めてスポーツ競技そのものは嫌いでなく、むしろスポーツの文化としてのあり方について関心を抱いてる。

 こんな私だからこそか、正直、今回のワールドカップで日本がクロアチアに負けてホッとした。もし、このまま日本が勝ち続けたりでもしたら、それこそサッカー一色に日本社会は塗り潰されかねなず、そうなるとかなり危うい事態を招くことになると思ったからだ。

 問題は大会の運営組織だけでなく、それを報道する側にあるのも明らか。日本の試合がある日はテレビのニュース番組はトップで、新聞は朝刊も夕刊も一面の大部分を割き、日本チームの勝敗に一喜一憂、長々と解説に充てる。ほとんど狂ってるとしか言いようがない。

 いろんな意味で社会の喧騒にはウンザリするから、煽られ踊らされてたまるか、との思いを益々強く抱かざる得ない。何者にも邪魔されず、静かに暮らしたいとつくづく思う。どんな分野でも熱狂は非常に危険なのだ。

 それにしても不思議でたまらない。サッカーという一つ競技のために、なんで朝から晩まで大騒ぎするのだろう。サッカーがファンを夢中にさせる理由を自分なりに前々回の記事で書いたけど、ワールドカップがいくら世界最大のスポーツの祭典とはいえ、NHKも民放もはしゃぎ過ぎ、煽り過ぎだ。

 オリンピックも夏季と冬季とで2年ごとに開催され、ラグビーのワールドカップも4年に一度、野球のWBCワールド・ベースボール・クラシック)が3~4年に一度…と、スポーツの世界大会ばかり。その都度マスコミはイの一番に勝負の結果報道に明け暮れる。

 私はスポーツの中では陸上競技が好きだったが、世界陸上が2年に一度開催されるようになって、ほとんど興味を失った。オリンピックを含めると、陸上競技は4年に3回も世界大会を開催してることになる。

 IOCFIFAを見れば分かるように、スポーツは「金(カネ)」にまみれてすっかり堕落した。スポーツの裏側に潜み暗躍し、スポーツ文化を破壊する要因がある、それをマスコミをもっと掘り下げ徹底的に報道すべきなのだ。