金沢市と富山市

 3月30日(水)に金沢でも桜が開花。一週間ほどで満開となり、散歩を兼ね私は毎年恒例の花見を楽しむため、先週末金沢城周辺を散策。この時期兼六園は無料なので、地元にいながら滅多に足を運ばない私だが、チャンス到来とこの時ばかりはノンビリ園内を歩き回った。

 私の故郷は金沢、だからこの地に対していろんな感情を抱く。批判もたくさんするけど、褒めたいところも一杯ある。金沢の非常に保守的で自惚れてるところは大嫌いだが、一方、観光都市だけに名所が随所に散らばり、城と兼六園を中心に街中を散歩するのは緑も多く変化に富んで楽しい。

 ところで、お隣富山県の県庁所在地富山市では路面電車LRTを導入して以降、街中の活性化が進んでいるという。環境にも優しいLRTは乗客が増加、大成功した事業と言えるだろう。昔、金沢市にも路面電車が走っていたが、中心街での事故を契機に廃止された。

 金沢市富山市は人口がほぼ同じくらいの中核都市。とはいえ歴史も地形もまるで異なるので街起こしの取り組みは違って当然。じつは、金沢市でも富山市を見習い路面電車復活の要望の声を聞くが、LRTの導入はしない方が健全だ。金沢市で重要なのは何より歩道と自転車道の整備である。

 太平洋戦争中、金沢市は米軍による空襲の被害を運よく免れ、街の形状はそのまま。対して、富山市は市街地の95%が焦土と化し、戦後はほぼゼロからスタートした。起伏があり坂も多く、道は幅が狭く迷路のようになってる金沢市と、企画整理された富山市とでは全く違う。

 イメージとしては、観光の金沢市、産業の富山市、といったところか。ちなみに同じ北陸の福井市は教育の取り組みに関して全国トップクラスだ。それぞれが個性を発揮し人口減に悩む北陸地方の活性化に繋がればいい。

 石川県で先月実施された選挙で、知事は馳浩氏、金沢市長は村山卓氏、がそれぞれ新たに当選。新体制から間もないのでまだ分からないが、果たして地元がどのように変貌してゆくか、今後の取り組みに注視したい。