最強の安全保障・防衛手段

 ロシアがウクライナ領土を一方的に侵略。ウクライナはロシアに抵抗することで戦争が始まった。こういう昔から繰り返されてきた戦争を見る度、つくづく日本の憲法九条がいかに重要であるかを実感する。

 侵略する側の言い分は常に「自衛のため」で、相手に脅威と恐怖を抱くからこそ攻められる前に攻め込みたがる。もし相手に脅威や恐怖がなければ「自衛のために攻め込む」理由は成り立たない。逆に自国に軍事力がなければ攻撃のしようがなく、だからこそ相手に脅威や恐怖をこちら側から与えることもない。

 日本の憲法九条が世界に広がり少しずつ実践されるなら、時間はかかっても愚かな侵攻・侵略や紛争・戦争は減少してゆくだろう。すなわち日本の憲法九条こそが最強の安全保障・防衛手段となりうる。とりあえず、日本は現状からスイスやコスタリカを見習い「永世中立国」を目指すべきだ。

 ただ、理屈として憲法九条の素晴らしさは理解できても、それでも疑問を抱き不安を払拭できない人々はいるだろう。

 もしヒトラーのような領土拡大・占領を野望に抱く狂人にはどう対処すべきか。一方的に資源や財産を奪い取る凶悪な犯罪国家はいつの時代でも誕生するに違いないし、現にプーチン習近平金正恩のような独裁者に対して、日本が非武装になるのはそのまま侵略を許すことになるのでは?

 だから日本も独立国家として軍隊を持ち、できれば核兵器も所有し、ロシアや中国や北朝鮮と対峙すべき…なんて短絡思考に突っ走るわけである。

 だが冷静に考えてほしい。あのヒトラーでさえ第二次対戦中はスイスへ侵攻しなかった。侵攻したくても出来なかったのだ、なぜなら永世中立国だったから。軍隊を所有するスイスとはいえ、当時ナチスが支配するドイツの軍隊とは比較にならなかったはず。

 日本にも現に専守防衛自衛隊が存在するが、ともかくスイスやコスタリカを見習い永世中立国を目指すべき。勿論、スイスやコスタリカをソックリ真似する必要はなく、歴史も地理も違う日本独自のあり方を確立すればいい。国是として非武装と中立を貫く限り、相手国は疑心に苛まれることなく手も足も出ないのである。

 「もし敵が攻めてきたら…」という消極的な不安に駆られる発想に陥るのではなく、「敵は決して攻め込めない」平和的な発想で国づくりを進め、積極的な外交を展開してゆくべきだ。