さて、どうする?

 もし、私がアメリカ人だったら今回の大統領選では誰に投票したか? トランプは最悪、ヒラリーも全くダメ。結局、候補者の中では一番まともな「緑の党」代表ジル・スタインに私は投票しただろう。結果は最悪のトランプが新大統領に当選、アメリカ人の私は酷く落胆したに違いない。

 では、日本人の私から見てトランプの当選はどう判断すべきか? 一番イヤな奴が米国次期大統領になることで残念至極とはいえ、しかし現実は受け入れるしかない。ある意味、これは「チャンス到来」と気持ちを切り替え、対処の仕方を真剣に検討すべきだ。

 トランプは日本に防衛費負担増強、あるいは全額負担を必ず提言してくる。嫌なら日米安保の破棄すら匂わせる。ならば日本はこの機を逃さず米国とは手を切り、自主独立すればいい。東洋のスイスとして永世中立の道を探るべきだ。

 これまで何事も米国に伺いを立て、米国の意思に沿うようにしてきた。もうその気苦労をする必要はなく、国の将来について日本人が自ら決断する。その絶好のチャンスが到来したと判断すべきで、じつはこれはとても良いことではないか。

 それにしても、世界中の極右連中が大喜びしている、ヨーロッパの右翼政党、そして米国内のKKK、さらに日本の右翼団体など。ドナルド・トランプという人種差別主義者が米国次期大統領になるという、信じられないことが現実に起こってしまったからだ。

 ファシズムという言葉は誰でも知っていたが、それは自分たちとは直接関係ない、離れた場所の空気のような存在だった。しかし、今やファシズムは目の前に迫り私たちを包み込もうとしている。ファシズムの時代が新たに到来したことを人々は自覚した方がいい。

 ただ、昔とソックリ同じというわけではなさそうだ。現在のファシズムも暴力的なことに変わりないが、一方で、かなりソフトな面も持ち合わせているようで、だから一層怖い。

 さて、どうする? 生き抜く方法を考えねば。目の前にはいくつもの道が見える。どの道を進むかは他者の命令に従うのではなく、自ら決めなければならない。こんな当たり前のこと、今まで出来なかった日本、ようやく一人前になれる時がきた。