さて、どうなることやら

 9月に入った途端、急に涼しくなり一気に秋が深まったような気がする。だが、国内の政治状況、国際情勢等、いろんな意味からかなりホットな秋になりそうだ。

 ちょうど一年前の政権発足当時、多くの識者が見解を述べていたように、また、私のような政治素人でさえある程度予測できたように、菅政権は短期間で寿命は尽きた。菅首相が次の自民党総裁選に出馬せず退任、新たに選出される総裁で衆議院総選挙に臨むことになる。

 デタラメな安倍政権を引き継いだ菅首相だが、多少は改善するどころか無謀な東京五輪を無理に開催するなど、新型コロナ禍の最中さらに日本社会は悪化の一途、安倍と同等あるいはもっと酷いと評価され支持率は急降下、ちょうど一年後自ら辞めざる得なかったのは必然だろう。

 次の自民党総裁が、そして首相が誰になるかは分からないが、タガが外れて次々と総裁立候補者が名乗り出ている。だが誰になろうと自民党そのものに期待は持てず、今後の政局がどうなるか、大胆な政界再編となるのか、混迷する秋に注目したい。

 さて、最優先課題の新型コロナ対策だが、感染者は首都圏で表向き減少気味とはいえ、実態は高止まり。新学期が始まり人流が活発になるのでこの先心配になるが、しかしやや長期的に見れば、10、11月になればさすがに感染者は実際に減ると思う。

 しかし問題は、12月から来年1、2月で、現在の第5波は過去最大最悪になったが、第6波はさらに厳しくなるかもしれないのだ。なぜならワクチン効果も減衰し、ラムダやミューなど新たな変異株の蔓延も予想されるから。

 現にワクチン接種が進むイスラエルアメリカでは再び感染拡大、日本が第5波をピークにこのまま収束するとはとても思えない。空気感染と季節要因が新型コロナの特徴なのは世界の常識、日本政府と分科会の方針は完全に間違っていた。新型コロナとはまだまだ先の長い付き合いを覚悟せねばならないようだ。

 次に、アフガニスタン情勢が気になる。軍を撤退させ混乱を招いたとの理由で、今現在米国バイデン大統領の評判はガタ落ちだが、しばらく経てばおそらく再評価され支持は持ち直すような気がする。とにかく20年に及ぶ無駄な戦争を終結させた事実は重要。どんな大義名分でカモフラージュしても、戦争の継続は破壊と犠牲を増大させるだけ、最悪が長引くだけなのだから。

 タリバンは物騒に見えるし得体の知れない部分は多いが、しかし日本はアフガニスタンと縁を切っては絶対にダメだ。たとえ僅かでもいいから粘り強く交流を重ねつつ、共存共栄の道を探って欲しい。中村哲さんの意志を無駄にしてはいけない。