最悪の事態へ猛進

 とうとう北陸地方でも先週梅雨入りが発表された。いつもより7日ほど遅いらしいが、じつは梅雨無しかと思えるほどの陽気が続いていたのだ。ひょっとするとこれからも晴れる日は多いかもしれないし、夏になればかつてない猛烈な暑さに見舞われそうで今から溜息が出る。

 先週末の夜、金沢の街中を散歩したが、石川県でも緊急事態宣言が解除されたのでさすがに人出は多く、ネオンも輝き繁華街は通常の賑わいに戻っていた。だが、油断するとまた新型コロナ感染者が増えるのは間違いなく、特に感染力の強いデルタ株には要注意だし、第五波は必ずやってくる。 

 東京オリンピックも開催まで後一ヶ月とちょっと。いつの間にかマスコミを中心に開催は仕方ないというような、世間全体がそれに方向付けされてしまい、もはや余程のことがない限り中止はあり得ない雰囲気になってしまった。

 菅政権は東京オリンピック開催へ猪突猛進しているが、それは秋の衆議院総選挙で勝利したいから。今現在の低支持率を逆転させるため、オリンピックの開催で世論の雰囲気を一気に変える腹積りらしい。

 しかし、菅首相の思惑は必ず失敗する。7月中に新型コロナ感染者は再び急拡大し、かりにオリンピックを無理やり開催できたとしても、デルタ株等変異ウイルスの脅威は収まるはずがなく、感染爆発から開催途中でオリンピック中止になる可能性もありえる。世界中に恥と困惑を撒き散らす最悪の事態になるかも。

 ウガンダ選手団が入国し、その内の一人から新型コロナの陽性者が早くも見つかった。これから世界各国の選手やコーチ・監督、メディア等オリンピック関係者が続々10万人近くも来日するわけだから、この先どうなるか大体想像がつく。

 新型コロナがあろうとなかろうと、私は以前からオリンピックの有り方に疑問を抱き批判的だったが、今回のようなパンデミックの最中でさえ強行開催しようなんて、オリンピックだけでなくスポーツ界そのものに疑念を抱く。