米国の本音

 昨年11月の米国大統領選で敗北したトランプ。彼は今月9日米国上院で弾劾裁判を受けるが、結果はどうなるか。弾劾される可能性は小さいとはいえ、トランプ党から脱却できるかどうか、共和党そのものが問われている。

 それにしてもトランプとは一体何者だったのか。しっかり検証することで、二度とこんなバカな輩が登場しないことを願う。トランプの自国第一主義は嘘で「自分第一主義」であると以前にも述べたが、その「自分勝手我儘主義」が差別や分断、格差を益々増大させてしまった。

 唯一、彼を評価するなら戦争を好まなかったことだろう(これに多くの有名人、例えば木村太郎のような人がトランプを支持した)。彼は取引で儲けたいのであり、戦争は利益に反するからだ。

 しかしトランプは平和主義者でないことは明らか、全く信用できない。自分は戦争したくないが、他者のケンカや他国の戦争はむしろ歓迎するようなタイプ。なぜなら武器をたくさん売り捌き儲けることができるから。

 トランプにとって友好国や同盟国など表向きだけ、韓国と日本が仲違いの末戦争状況に陥っても構わないとさえ思っていたかも。彼は自分が支配した軍産の武器を韓国や日本がたくさん買ってくれればそれでいいわけだ。

 米国で新たにバイデン政権が誕生したが、トランプよりマシとはいえ、諸手を挙げて喜ぶわけにはいかない。なぜならこれまで米国の民主党が世界中で何をしてきたか見れば明らかで、バイデン氏は個人的には人が良さそうで好感を持てるけど、大統領としてどう振る舞うかは別問題、充分注意したい。

 自由、平等、民主、人権、平和…等々表向きキレイ事は述べるが、民主党にとってそれらは米国の利益が第一にあって初めて成立する理念に過ぎず、他国が米国と肩を並べたり、米国より上を目指したり、米国に反旗を翻すならなら、それこそ力ずくで阻止するだろう。これは民主・共和両党問わず米国の本音である。

 これまで、民主主義、資本主義、社会主義共産主義…いろいろ語られてはきたが、残念ながら理想にはほど遠く、それらは単に米国型、日本型、ソ連型、中国型…に過ぎなかった。権力が上から支配したがる構造はどれも似たり寄ったり。