トランプ大統領に期待する

 米国でトランプ大統領が就任してから約半年経つが、相変わらず大統領周辺はスキャンダルで騒がしく、支持率30%台で史上最低の烙印を押されている。さっさと退場してほしいと私は願っているが…。

 一方で、私はトランプ氏に長く大統領職にあってほしいとの気持ちも抱く。なぜなら、彼が大統領職にあり続ける限り、アメリカ合州国は衰退の一途を辿るだろうから。アメリカの時代は終わったのであり、その象徴がトランプ大統領だ。

 トランプ大統領を支持する人たちは、自分たちの利益優先だけを考え、彼が二期8年の可能性もありえると期待するが、しかし世界を俯瞰するなら、もしトランプ政権が8年もつづけばアメリカ合州国は急坂を転げ落ちるように凋落する可能性大だ。

 だから「トランプ政権は長期に…」という気持ちにもなるのだが、しかしこのような逆説的願望はある意味アメリカの良識的国民に対して失礼かもしれない。なぜなら、これまでアジアで威張っていた日本の凋落を期待するアジア諸国が、安倍首相がいつまでも首相でい続けて欲しいと願うに等しく、安倍政権が長期になればなるほど日本は絶望的状況に落ち込むことは確実だからである。

 まともなアメリカ人はトランプ政権を拒絶するように、まともな日本人は安倍政権など認めない。トランプも安倍晋三もウソを吐き散らすことでしか政権を維持できないのだからまともであるはずがなく、彼らの長期政権は国民にとって大迷惑だ。

 トランプ大統領は弾劾され退陣するかもしれない。だが大統領がトランプからペンスに代わろうと、あるいは民主党の誰かになろうと、私はまったく期待しない。共和党民主党も「強いアメリカ」を標榜する限り物騒でならないからだ。

 現在、共和党民主党も支持したくない人々が全米で1/3は存在するらしく、民主党左派サンダースと緑の党ジル・スタインが共闘するような第三勢力の出現をアメリカ合州国内に現れることを望む。しかし時間はかかるだろう。とりあえず、トランプ大統領の長期政権でアメリカの凋落を期待するしかないか。