台風月の最中に

 台風がもたらした強風と大雨のせいで、9月下旬から10月下旬にかけての約一ヶ月、爽やかな秋というイメージからは程遠かった。強風の15号、大雨の19号、そしてまたまた大雨の21号。

 21号は日本からかなり離れた太平洋沖を通過したにもかかわらず、海面温度上昇による気候変動で大量の雨が関東から東北にかけて降りつづけた。千葉県などは台風で三連続大きな被害に遭遇し、「気の毒に」という言葉をかけることすら失礼にあたるのではないかと思うほどで、本当に痛ましい。

 もうとっくに、災害は忘れないうちにやって来る時代を迎えたのだ。来年は15号と19号を足したような超巨大台風が日本を襲うかもしれず、地震や猛暑などと合わせて一人ひとりが生き延びる術を真剣に考えなければならない。

 台風月の最中だったせいか、私は全然気付かなかったが、10月22日(火)は新天皇の「即位礼正殿の儀」で休日だったらしい。

 ところで日本国民のなんと80%近くもの人が天皇制を支持してるらしいが、制度としての天皇制が今すぐ無くなっても何ら日本社会は変わらないと思う。なぜなら大勢の人々の心には「内なる天皇制」を抱えているからだ。

 一番の問題は人々に巣食うこの内なる天皇制であり、だから制度としての天皇制を廃止しても無意味との意見もあるだろうけど、私は決してそうは思わない。まずは制度から見直すことから始めなければ。女性が天皇になってもいいし、選挙で天皇を選んでもいい、やがて国民の総意で天皇制を無くすことができるなら、それがベスト。

 それにしても皇室に関する費用の使い道は本当にこれでいいのか。同様に防衛予算もあまりに莫大で見直すべき。欠陥だらけで役立たずの高額な武器を米国から購入するくらいなら、防災にもっと国家予算を回し、今すぐ、防衛省を防災省に、自衛隊を軍隊的要素の強い現状から人命を尊重する災害救助隊へと転換してほしい。