宝くじは買わない

 年末ジャンボ宝くじが発売されたそうで、今年も前後賞合わせて10億円だとか。ついこの間まで3億円だったような気がするが、いつの間に10億円まで増えたのだろう。1億でもすごいのに、10億とは凄まじい。

 東京時代に宝くじを何度か買ったことがある。末尾の数字だけ何枚か当たっただけ、高額賞金にはまったく縁のない私であった。やがて宝くじに興味はなくなり、今やまったく買う気はしない。

 それにしても、と思う。宝くじの賞金が高額になればなるほど、世の中の不景気や格差を反映してるようで、これは良い傾向とはとても思えず、大衆は弄ばされてるだけじゃないか。

 宝くじなど買わない方が賢明だな。もし、数千万や億単位の賞金が当たっても、それは嬉しいどころか、むしろ不幸な状況へ真っ逆さまに落ちるスタート地点に立ったようなもの。一夜にして高額の金が手に入ったなら、努力の尊さなど消し飛んでしまうだろう。

 人はカネやモノなど多く所有し始めると、反作用のようにそれらを失いたくないという気持ちが増幅する。これは万人が共通に抱え込む治療薬のない病気のようなもの。減る、下がる、消える…それらの強迫観念に四六時中苛まれ、ある意味、世界の1%の人々は世界でもっとも不幸な人々かもしれない。