宝くじのこと

 2月14日にグリーンジャンボ宝くじが発売されて人気を博しているらしい。なにしろ一等当選賞金が前後賞を合わせると5億円だって。スゲェ〜。東日本大震災復興支援を謳っており、宝くじを通してからも何とか災害支援に取り組もうとしているようで、その試みはいいと思う。しかし私は「宝くじ」そのものにはいつも疑問を感じている。

 「宝くじ」を好きか嫌いかと問えば私は嫌いである。若いころに買ったことはあるが、もう二十年以上購入したことはなく、興味はないので今さら手にしたいとも思わない。宝くじに限らないが、昔から運がないというか、抽選などで私は上位に入ったためしがない。宝くじでは最高で3000円当たったことが一回きりあっただけである。

 ともかく売り場で買い求めた後は、番号が当選するのを待つだけという仕組みがつまらない。自分で馬の性格や騎手との相性、馬場の状態、天気の具合など、自分であれこれ考えながら勝負を判断する競馬の方が断然面白い。詳しくないのでエラそうなことは言えないが、同じ大金を叩くなら競馬や競輪のほうがはるかにギャンブルとしては宝くじよりも「健全」だと思う。市井の多くの人たちはせいぜい数千円レベルだろうが、中には一度の宝くじに数万〜数十万も投資する人がかなりいるというから驚きである。
 
 人気のある宝くじだが、一方それを極端に毛嫌いして家族の誰かが買ったりすると怒りだす人もいるが、そんな頑なな態度は雰囲気を壊す。たとえ自分は宝くじが嫌いで買わなくても、身近な誰かが買ってきたら「当たるといいね」くらいの言葉をかけられる心の余裕がほしい。

 もし、一等や二等、あるいは前後賞が当たったらどうしようか。もちろん自分のお金になったのだから好きに自由に正々堂々と遣えばいいだけのこと。当たった人には「おめでとう」と申し上げたい。

 それにしても、宝くじの大当たりで一夜にして大金持ちになった人々が海外ニュースなどでときどき登場するが、どうも当選者のその後の人生は幸せになるどころか、むしろ不幸に見舞われることが多いという。苦労しないで大金を得ると人生の歯車が狂い始めるのだろうか。いずれにしても、宝くじの隆盛は不安定の要因が増大する社会を反映しているかのようだ。