近未来の人間とロボット

 先日、近所のソフトバンク支店を覗きに行ったとき、店内にあの話題になった「ペッパー(Pepper)」が設置されて、いきなり彼(彼女)が私に話しかけて来た。

 予想もしてなかったのでちょっと驚いたが、あのペッパーかということで、遊ぶつもりで私はしばらく付き合うことに。結構いろんな会話が出来て面白かったな。腕、特に指の動きが細やかで、正に人型ロボットを身近に実感できた次第。

 経済発展とともに大規模工場などでは生産ラインにロボットを導入、人に代わって単純労働を素早くこなし効率を上げてきたようだが、工場のそれはロボットというより、やはり従来の機械がより高性能になっただけ、近未来SFの映画や小説に登場するロボットというイメージからはほど遠かった。

 ロボットというからには人型でなければ、という思いが強く、まだまだ人間の生活には浸透していない感じだったが、ソフトバンクのペッパーにはすっかり親近感を抱いてしまった。

 私が子供の頃には想像の産物でしかなかったロボット。しかしペッパーを見て、車やパソコンなどと同様、一家にロボット一台の時代が近い将来訪れることを確信する。

 いつの時代でもそうだが、まず最初に発展し、人々に浸透するのは性産業の領域で、人々の慰めの道具としてロボットは活用されることは間違いない。現ペッパー型ではさすがに無理だが、もっと人間に似た造形や肌感覚を工夫できれば、セックス用ロボットの大量出現はもうすぐだ。
 
 孤独な人々への慰め用ロボットが浸透するなら「先進国」を中心に少子化は益々進行する。21世紀は第三世界を中心に人口爆発の時代だが、22世紀に入る頃には「生身の人間」は減少し「人間のようなロボット」の方が地球上では遥かに多くなるかもしれない。