日本シリーズ雑感

 今年のプロ野球日本シリーズ北海道日本ハムファイターズ広島東洋カープ、初顔合わせで実に新鮮だった。

 広島が2連勝して圧倒的優位に立ったが、しかし短期決戦、何が起きるか分からない。広島がこのまま勝ち進むとは思えなかったし、もつれるんじゃないかという気がしていた。

 元々パ・リーグファンの私だが、日本ハムと広島、どちらが日本一になろうと構わなかった。

 それにしても広島カープは非常に魅力的な球団だと思う。市民で育てた野球チーム、地元の車メーカーマツダがスポンサーだが、企業名ではなく常に「広島」という都市名をチームの冠にしてるのは素晴らしい。若手の発掘と育成、12球団中それにもっとも力を注いでいるのが広島で、だからセ・リーグでは元々広島を応援していた。

 広島の緒方監督はじつにいい顔をしていたな。ギラギラせず、熱くならず、内に闘志を秘め、その涼しい風貌に魅了される。そして日本ハムの栗山監督も落ち着いて選手を信頼、勝利監督インタビューを聞いていると、さすが民放の全国ネット解説者として活躍していただけ喋りが上手い。
 
 結局、日本シリーズ北海道日本ハムファイターズが2連敗の後4連勝して優勝。広島東洋カープも頑張ったが及ばなかった。普段、野球中継はまったく見ない私だが、やはり頂点を極める試合は緊迫感があり、紙一重の攻防は面白い。勝者も敗者も実力差はほとんどなく、流れ勢いが左右するとつくづく感じる。

 これでパ・リーグは4連覇。今世紀に入りパ・リーグの強さが際立つ。独裁読売巨人の時代はとっくに終焉、世相は変わったのだ。プロ野球の世界はようやく民主的になりつつあるが、残念ながら実態社会はまだまだ、政治も独裁的状況から変わってほしい。