巨大な物は悪い

 巨大で融通の効かない原発は即廃止すべきだ。3.11東電福島第一原子力発電所の大事故で身に染みたはずなのに、政治や電力会社の権力機構が相変わらず原発にこだわりたがるのは、背後で多額のカネが動くと同時に、「核」の幻想に囚われているからだろう。

 ときどき原発30キロ圏内の避難訓練らしきニュースを目にするが、原発事故の為に何十キロ圏内もの人々が避難せざるを得ないとは、ただもうそれだけで、原発に依存してはいけない証拠である。

 自動車事故が発生しても、それは事故現場だけの問題で済む。一台の自動車事故で遠く離れた人々が避難する必要などない。つまり、単一の巨大化した物は万が一の時は危険極まりなく、物事はなるべく小さく完結した方が良いということ。

 物事は小さい方が良い。これはほとんどあらゆる領域に当てはまる。国家などは典型で、ローマ帝国も蒙古も過去の遺物、大英帝国の栄枯盛衰は説明するまでもない。現代における米国や中国やロシアなどは人類にとって迷惑千万。恐竜は巨大であるが故に滅び、生き延びたのは小さな哺乳類や昆虫だった。
 
 1960年代「大きいことはいいことだ」というチョコレートのTVコマーシャルがあったが、これは高度経済成長時代であればこその産物であり、21世紀の今日にはまったく相応しくない。

 地球という限られた枠内で強さを誇示し大きさを競い合うことは、これすなわち地球の破滅に加担するようなもの。大きいことがいいのは人間の心の持ち用だけで充分。心を広く大きく、しかし所有物を最低限にして、地球を皆で共有すべきだ。