私の贅沢品

 好き嫌いは別にして、誰もが車を利用せざるを得ない現代社会。車は一家に一台所有するのは当たり前、二台所有する家も珍しくない。だから車を持つことは普通の生活者の証明でもある。

 「車の所有は普通」の公式に当てはめるなら、車を持っていない私は普通以下の生活者ということになる。資金も場所も、車を所有する余裕などまったくないのだから当然か。

 そんな貧乏人の私とはいえ、やはりある程度は贅沢もしたい。車に変わる物として、私はコンピュータにこだわる。コンピュータといっても大それた品ではなく、それはタブレットコンピュータ、具体的にはアップルのiPadのことだ。

 私はiPadファンであり、それを扱うことはとても面白く、今現在、私にとってiPadのない生活は考えられない。だから普通の人が車を買い替えるように、これまで私はiPadを買い替えてきたが、財布の中身が許す限り、それは今後もつづくだろう。

 私がコンピュータに初めて接したのは30年以上も前、ある電機機器メーカーに就職した時だった。それ以来、今日までパソコンを中心にいろいろ触ってきたが、個人用のコンピュータと言えばデスクトップかノート型のイメージしかなかったので、iPadが出現したときはかなり驚いた。

 iPadの形状は薄い板のようで、軽くて持ち運びがとても便利。パソコンだと大きくて重量があり机の上に鎮座したまま。iPadの性能はとても優秀で並のパソコン以上、よくぞここまでコンパクトに進化出来たものだと感心する(スマホは小さ過ぎて逆に私は扱いにくい)。

 コンピュータ及び通信技術の進歩は目覚ましく、一昔前まで想像もしなかった生活を今の私は送っている。ところで、初めてiPadを購入したのがおよそ5年前だが、じつは最初はよく分からず、ただ眺めている状態がしばらくつづいた。

 実際、私が本当にiPadを活用し始めたのは2年半前からだ。まだ、たった2〜3年しか経っていないのである。3年ほど前をふと振り返るだけで、現在の自分の生活形態は随分変わってしまったと実感する。