完璧な人間?

 女性でも男性でもいい、そもそも人間の魅力とは何か。容姿、性格、知性、仕事、財力…いろいろあるにしても、具体的で決定的な要素があるわけでなく、それはさまざまな部分が組み合わされ形成されるのだろう。

 ところで、目の前に外見的にも内面的にも申し分のない(最大公約数として)、ほぼ完壁な人物が現われたなら、その人物はどのように見られるか。人間的に完壁で、我々が思い描く理想の人物が目の前にいたら…、我々はその人物にゾッコンとなり、ただただ魅了されてしまうのか。

 じつは、非の打ち所のない人物に我々は魅了され…るなんてことはありえない!逆に、そんな人物はあまりのつまらなさ味気なさに疎まれ馬鹿にされるだろう。完壁とは、それ自体が救いようのない最大の弱点である。

 だから人間の魅力は何かと言えば、欠点を抱えていることに尽きる。小さないくつもの欠陥で構成されているのが人間という存在。欠点や欠陥こそが人間的魅力の源泉そのものだ。