氷河期と温暖化

 ネットでニュースやコラムを検索していたら気になる記事を見つけた。それは、地球はもうすぐ氷河期に覆われるという内容のものである。地球温暖化が言われて久しいが、一方で、地球は氷河期を迎えつつあるという説も以前から流布していた。

 地球温暖化に異論を唱える科学者や専門家がいることは知っている。氷河期説は地球温暖化に真っ向から反対しているかのように思える。温暖化か、それとも氷河期が、本当はどちらなのだろう?

 ところで、科学者や専門家の意見はいかにも説得力を秘めているかのようだが、しかし彼等の言い分を何でもかんでも鵜呑みにするわけにはいかない。彼等が誰に雇われてどこから金をもらっているか、すなわち彼等の生活拠点はどこにあるのかを知ることが、まずは肝心だ。意見というものは立場によってガラリと変わる、変えさせられる。発言者の背後関係を知ろう。

 ついでに、氷河期と温暖化とを安易に対立させないこと。自然現象と人為的なものは別問題だろう。氷河期が来るから温暖化をそのままにしていいという理由にはならない。自然現象の氷河期と人為的な地球温暖化、この両者の対立を煽り争わせることは愚かだ。

 長い地球の歴史上、何度も氷河期が訪れたことは証明されている。21世紀の現在、地球が氷河期に向かっているのかどうか私には分からないが、一方で、近代の産業革命以降、人類は二酸化炭素を大量に排出させ、人為的に地球を暖めて来たことは紛れもない事実である。

 もし、氷河期説が正しいとして、これから地球が除々に冷えるとしたなら、温暖化と相殺することでプラスマイナスゼロ効果を生み出せるのか? だが、この考えはあまりに安易過ぎると言わざるをえない。

 氷河期と温暖化は調和するどころか、大きく軋んでズレが生じ、かえってアンバランスになるかも知れず、さらなる天変地異を招く恐れがあるのではないか。