ジープ島について

 天皇と皇后がミクロネシア連邦パラオを訪問、第二次世界大戦の太平洋戦争中に当地で犠牲になった「すべての人々」を追悼し、先週はこのニュースが大きく取り上げられた。南太平洋(日本から見て赤道より下側)と聞いただけで、南国の島々の風光明媚な印象をつい抱くが、太平洋戦争で敵対した日本人と米国人が…なにより現地の人々の多くが犠牲になった場所であることを忘れるわけにはいかない。

 さて、そのミクロネシア連邦ジープ島というとても小さな島がある。ついこの間まで私は知らなかったが、美しい観光地として有名で日本人にとても人気があると知人に教えられた。

 ネットでさっそくジープ島を調べてみる。確かにトップレベルの美しさで、有名観光地といえども写真はキレイだが行ってみるとガッカリすることが多いけれど、ジープ島なら写真以上に実際は魅力的であろうことが想像できる。

 海外旅行など夢また夢の私にとってネットで世界巡りするのが楽しみのひとつ。ジープ島のホームページを眺めながら島事情も読んでみたが「島に宿泊できるのは日本人のみです」との文面を見つけ、妙な気分になってしまった。はて?これはどういうことだろう。いったい誰が「日本人」に限定したのか。(http://www.jeepisland.info/jeepinfo/life.htm

 「島に宿泊できるのは日本人のみです」で、すぐ連想したのが昨年サッカーのJリーグで大問題になった浦和レッズのサポーターによる「Japanese only」の垂れ幕だ。

 世界的な観光地で「日本人のみ」と決めつけるのは明らかに差別的。美しい環境を守るにはマナーの良い日本人のみが足を踏み入れる資格があるとでも勘違いしているのだろうか。上野公園で花見後のゴミの山がネットに出ていたが、これを見るだけで日本人が特別マナーが良いとは思えない。

 ジープ島関係者に訴えたい。「島に宿泊できるのは日本人のみです」の項目は削除した方がいい。島の環境を守りたい気持ちは十分理解できるから、せめて「島に宿泊できるのはマナーの良い人のみです」と表記を変えるべきである。