納得できない

 12月に入った途端、掌を返したように秋から真冬に様変わり。温度が一気に10℃も急降下してまるでジェットコースターだ。しかし長期予報では、今度の冬は平年並か、むしろ暖かくなるという。年を取れば暖冬はありがたいが、金沢で雪のない冬はかえって気持ちが悪く、ほどほどに雪が降る寒さの冬が望ましい。

 さて、冬が到来した最中の総選挙で投票日は12月14日。天候に大きく左右される投票率だが、全国的に青空が広がりよほど暖かくならないかぎり、時期から考えれば投票率はかなり低くなることが予想される。

 このままでは与党の自公がかなり有利になるかも。もちろん天候だけで投票率が決まるわけではないから、わずか2週間の選挙期間とはいえ、無党派層が選挙に強く関心を寄せるような何かが起きてほしい。

 2年前の総選挙では、自民党が大敗した前々回より得票数を減らしたにもかかわらず結果として大勝したが、その大きな要因として投票率が60%に満たなかったことが挙げられる。選挙民の2/5以上が棄権した選挙結果など、好き嫌い以前の問題として納得できない。

 もし投票率が80%前後まで上昇したうえでの結果なら、たとえ自民党のような政党が勝利しようと私はそれなりに納得するだろう。日本国民の大半が自民党を支持するのであれば、自民党をまったく支持しない私であろうと日本の現状を素直に受け入れるだろう。まだ諦めがつくというもの。

 しかし50%〜60%程度の投票率で、その中の過半数なら全体的には2〜3割しか支持されていないわけで、そんな政党が何でも好き勝手放題に立ち回ること自体、私にはどうしても納得できないのだ。

 衆議院参議院1票の格差があまりに拡大し不公平であるがゆえ、裁判では違憲判決が連続して出ている。格差拡大の違憲状況がつづく選挙で、さらにそのわずか2〜3割の人たちからしか支持されていない政党が勝利し国政を牛耳る現状は、異常だ。

 異常が当たり前であるかのように洗脳されつづける日本の現状。選挙には、そんな異常な日本に私たちが生きていることを、少なくとも自覚しつつ臨みたいと思うのである。