参議院選挙の結果

 かつては与党圧勝の予想に反し、与党大敗という結果を招いたこともあったが、最近の選挙では調査方法が進歩したのか、それとも世論誘導なのか、予想はだいたい当たるから私はちっとも面白くない。予想などハズレて欲しかったが…。

 しかし、参議院選挙は予想通り与党側の圧勝、改憲勢力は2/3を確保、いよいよ日本国憲法の文言自体が改悪されるかもしれない段階に入った。最終的には国民投票で決着がつくわけだが、国民投票改憲を阻止できる保証はまったくない。

 憲法に関して、今はまだ護憲を支持する人が過半数を超えているが、今後の流れで大きく変動するし、改憲勢力はあの手この手で護憲陣営の切り崩しにかかるだろう。

 今回の選挙の投票率は約54%、過去4番目の低水準。結局有権者の半数近くが棄権したことになり、この事実こそが大問題だ。こんな状況で国民投票をすれば、たかが25%の人たちの支持だけで国の根幹が決定しかねず、事案に賛成・反対とは別にとても納得できるものではない。

 それにしても投票率の低さは深刻だ。政治に無関心な人がどんどん増え、そうしてやがて国や地域は滅んでゆく。自分で自分の首を絞めていることを棄権する人は分かっているのか。「魅力ある政治家がいない」と棄権した人はよく口にするが、そう言いたがるのは、じつは自分に自信がないから、そして自分に魅力を見出せないからではないのか。

 無党派層が関心を示し、投票率が10%ほど上がればガラリと雰囲気は変わる。いや、5%投票率が上がるだけでも流れは変わるはず。

 政治に無関心を装う棄権する人々に私が訴えたいのは、自分の生活がこれまで維持できたのは少なくとも現憲法のおかげであったということ。憲法を大切に飾るだけでなく、これからは一人ひとりが憲法をもっと活かす時代にしなければと痛感する。

 憲法はアートではなく、ましてや骨董品であるはずがなく、憲法は水や空気や土と同じ性質のもの、私たちと共に存在することを自覚したい。自民党憲法草案、これは憲法外の代物であり、早急に葬り去るべきだ。