8月は寂しい

 一年の真ん中は6月から7月にかけてだが、なぜか一ヶ月遅れの7月から8月の替わり目こそが一年の中間みたい。気が早いけど今年も残りわずかだなぁ、なんて思う。年間を通すと、6月までの前半は薄くて7月以降の後半が濃い印象なのに、8月に入った途端ガラリと意識が変わる。

 中学時代や高校時代。長い夏休みのはずなのに、ウキウキしてたのは7月中だけ、8月に入ると夏の終わりを意識するあまり、心細く、時間の経つのが早く感じた。他の人はどうだったか知らないが、私の場合、楽しい夏休みという記憶があまりない。

 夏休みの期間中、いったい何をしていたのか。真面目に勉強をしたわけでもないし、遊び呆けていたわけでもなかった。ただ、ボ〜として、時間を無駄使いしていたようだ。エアコンなどなかったから、暑さに負けてダラダラしていたのだろう。

 まだまだ昼の時間帯が長いとはいえ、8月中にそれがどんどん短くなるのを実感する。7月中までは夏至の頃とほとんど変化を感じない日中だったのに、8月に入るといつの間にか日没はPM6時台になって、9月の秋分の日まで一日に1分〜2分ずつ短くなってゆく。秋分の日の日没時刻はPM5時45分頃だ(金沢)。

 学生の夏休みだけでなく、社会人もお盆などを利用して夏休みに入る。だから祝日がないのになぜか騒々しい一面も8月は備えているが、お盆で墓参りという習慣がなんとなく8月を寂しい印象にさせてもいる。

 6月と並んで祝日のなかった8月だったのに、「山の日」が8月11日に制定され祝日になることが決まった。2年後の2016年度から施行されるらしいが、海の日があるから山の日も、という安易な発想を感じてしまう。

 「山の日」ねえ。海と山があるのなら、ついでに「滝」とか「湖」とか「河」とか「森」とか「田園」とか…なんでも名前をつけて祝日にしたらいいさ。

 8月は一番暑くて世間は賑やかそう、だからこそか何となく寂しくてしょうがない。