緑に癒される

 連日の暑さにバテ気味、疲れた身体を癒したくていろいろ試してみる。部屋にいて手軽に気分転換できるいとも簡単な方法、そのひとつがパソコンの壁紙を変えること。

 壁紙はほとんど無料でダウンロードできるので昔から重宝している。季節柄、少しでも涼しくなれる壁紙にしたくて、どうしても自然系のものを選ぶが、とはいえ、青い空に白い雲、透き通った海面に太陽がサンサンと輝く、いかにも夏の海辺の風景なんかはかえって暑苦しい。やはり、広々とした野原で風になびく草花とか、森の奥深く樹齢を重ねた大木とか、緑を基調とした風景の壁紙がいい。

 緑色は人間の目に優しいという。ただし、それはあくまで自然光の下での緑で、パソコンのモニターから発せられる人工的な緑には疑問符?が付くらしい。専門家ではないので詳しいことは分からないが、それでもパソコンの壁紙が樹木や草木の緑の風景の方が和むことは確か。要は好みの問題なのだろう。

 かつて東京に暮らしていたとき、生活圏が池袋や新宿だったので自然の緑には恵まれなかった。東京という大都会は活気があり賑やかだったが、この緑が少ないという実態には大いに不満だった。

 金沢は東京に比べ圧倒的に緑が豊富だ。中核都市の金沢だがそれなりにだだっ広いので、住む場所によっては緑が少なく味気ない地域もある。ただ私の住んでる所は中心部なのに近くに川が流れて環境は恵まれている。

 私は河川敷を散歩するのが大好きだが、その一番の理由は、両岸の上流から下流まで芝生がびっしり敷き詰められ、この季節は緑が蒼蒼としているからである。芝生の上を歩くのがとても気持ちいいのだ。濃い緑が視界を覆い本当に癒される。保守的で閉鎖的な、どうしようもないところも金沢の一面だが、自然の緑に恵まれた環境は捨てがたく、それだけでも住む価値がある。

 人間には本物の緑が必要なのだとつくづく思う。ただし、一日中芝生の上を歩き回っているわけにはいかない。部屋に閉じこもらざる得ないときはパソコンの壁紙を工夫しよう。