一年で一番イヤな日

 8月18日(土)の朝刊(北陸中日新聞)一面は「子ども自殺 9月1日だけでなく 8月下旬も注意を」の見出し。記事によると8月下旬から子供の自殺数が急増するという。

 子供にとって一年で一番楽しい日は自分の誕生日だったり、あるいはお正月だったり…いろいろあるだろうが、日本の子供たちにとって一年で一番嫌いな日が9月1日(夏休みが終わり、二学期が始まる初日という意味)であろうとは多くの人が想像できるのではないか。それにしても、これからの人生、自ら命を断つのは悲劇でなんとも痛ましい。

 自殺の原因は人それぞれだし一概に決めつけられない。だから自殺防止策も多様な視点から取り組まなければならないが、しかし日本の子供の自殺を防ぐためにどうすればいいかを考えたとき、具体的で効果の出る方法がある。

 日本の子供の自殺防止策として、もっとも簡単で理解されやすい思うのは、新学期を9月からにして夏休みの宿題を廃止すればいい。これで子供の自殺数はかなり減少すると私は確信している。

 私の子供の頃を振り返る。私も二学期が始まる9月1日はイヤでイヤで仕方なかった。宿題は全然してないし、先生は嫌いだったし、再びイジメられたり無視されたりするかも…それで登校拒否寸前までいったが、それら以上に親が心配する顔を見るのが辛くて何とか学校に足を向けた。

 もうひとつ、私が登校拒否しなかった大きな理由があり、それは同級生に好きな女の子がいたことだ。もちろん付き合っていたわけではなく、それどころか声を掛けたこともなく、遠くから眺めるだけの一方的な片想いに過ぎなかったが、しかし私は彼女の姿を見たい、ただそれだけで学校に通うための力を得ていたのだ。

 楽しい夏休みという思い出は私にはほとんどなく、宿題さえなければどんなに嬉しかっただろう。 もし9月から学年が新たになればリセットされてホッとしたかもしれない。そして、つくづく、片想いでも好きな子がいたことは私にとって救いだった。