テレビは嫌いだ

 ここで言うテレビとは主に地上波のテレビ番組のこと。昔からあまり見なかったが、最近は特に見なくなった。

 少し前まで、母親と共に朝・昼・夜の食事の時間帯にテレビを点けていた。しかし、母親の具合が芳しくなく、今現在は朝と昼の食事は自分ひとり。私ひとりのときテレビのスイッチを入れることはない。母親と一緒の夜の時間帯だけニュースと天気予報を見る程度。

 ところで、テレビを見る人から話をチラホラ聞くと、番組の評判がすこぶる悪い。最近は旅行と食べ物に関する番組ばかり。バラエティーは出演者たちが自分勝手に仲間内で笑い転げているだけ、見ている方はちっとも面白くない。報道関係は問題を深堀りすることなく、ただ表面的な現象を垂れ流すのみ。

 見なければ批判できないかもしれないが、今のテレビ番組は見なくたってだいだい想像できる。NHKと民放の区別もつかなくなり、体制権力ベッタリのテレビ局にジャーナリズムの矜持はとっくに消えている。

 とはいえ、相変わらずテレビの影響力は絶大である。コマーシャリズムに埋没し発展してきたテレビは、ひたすら便利さと気持ち良さばかりを流しつづけ、これほど見事な洗脳機関はないだろう。

 脚色できない天気予報はありのままを報道するしかなく、これだけはテレビで見る価値があると思っていた。しかし、インターネットが普及しテレビで天気を確認する必要はなくなった。ネットの方がピンポイントで詳細に予報してくれるので便利。だから、もはや私にとってテレビは必要ない。

 私は機械としてのテレビ受像機を持っているが、これは映画を観るため。映画を観るためだけの受像機というのはもったいない気がするが、つまらない番組を見て大切な時間を無駄にしたくない。

 テレビ放送開始から60年ほど。まだ60年というテレビの歴史はあまりに浅く、未来のテレビはもう少しまともになることを願う。いずれにしても、今のテレビに魅力はなく、真面目に見る気がしない。正直、テレビは嫌いだ。