ある意味、リッパ

 朝鮮民主主義人民共和国(以下朝鮮)はミサイルを打つのか? 戦争が勃発するのか? 朝鮮半島周辺が緊急事態だ。無益な戦争など絶対にしてほしくないから、朝鮮が暴走しないことを祈るばかり。

 小国で資源もないのに核をちらつかせ軍事増強を目指す朝鮮は、国内の経済も疲弊、多くの人民が飢えに苦しむ。このままでは世界からソッポを向かれ、ますます孤立を深めるだけ。指導者たる金正恩と、その取り巻きで権威を貪る軍人たちのワガママにはまったく呆れる。

 と、現在の朝鮮に対し批判をいくら繰り返しても足りないくらいだが…しかし、ちょっと視点を変えるなら、ある意味、リッパに見えたりもする。なぜなら、ちっぽけな小国がどこにも頼らず超大国アメリカ合州国に戦いを挑んでいるからだ。

 米国と正面から対立しているのは、もはやイランと朝鮮くらいしかイメージできない。キューバとはかつてのような緊張関係はないし、アラブ諸国中南米諸国に反米を掲げる国はあっても一触即発は考えられず、中国やロシアは同じ資本主義国になり果て価値観は同じになった。

 「朝鮮ガンバレ」と煽るつもりは毛頭ない。が、しかし、世界中がなんでもかんでもアメリカ的な強欲資本主義の支配下・影響下に置かれようとする現状にはどうしても違和感を抱く。

 モノが豊かに流通する日本は今のところ自由と民主主義をそれなりに謳歌しているかのようだ。しかしそれは、政治も経済も、そして文化も、さらに軍事においても、がんじがらめに米国に支配された状況における自由と民主主義に過ぎない。自由と民主主義と言ってもそれは私たちのものではなく、あくまでも米国による米国に都合のいい自由と民主主義なのである。

 安倍政権の下、オスプレイは本土上空を好き勝手に低空飛行するだろうし、TPPは譲りっぱなしで国益は損なうし、まるで日本は米国のために存在するとしか思えず、これではまるで主人と小間使いだ。安倍政権はこれまで以上に日本を米国に売り渡し、日本を米国に隷属させるつもりらしい。だから、皮肉を込めて言いたい、「日本よ、少しは朝鮮を見習ったらどうなんだ!」。