再度、東京オリンピックはいらない

 昨年5月26日に「東京オリンピックなんていらない」と記事にしたが、再度言わせてもらう。

 より速く、より高く、より強く、そしてより美しく、一番を目指すスポーツは、まずなによりも公平なルールを基に競わなければ意味はない。選手だけでなく、監督やコーチ、審判、運営者、評論家…等々、スポーツに携わる人々、いや携わるだけでなく、ファンを含めたすべての人々がスポーツという手段を通して、貧困や差別のない平和な世界を実現させるため努力・邁進すべきである。

 しかし、全体の流れは、完全に逆行。スポーツの頂点に位置するオリンピックは平和の祭典どころか商業主義に乗っ取られ、強欲資本に右往左往させられている。グラウンドやフィールドなど競技場に入る前から損得の算段に明け暮れ、関係者たちの儲けるための思惑が蔓延し、格差が大きく開いた不公平な状態のまま試合が実施されてしまう。

 そもそも、西ヨーロッパと北アメリカと極東アジアという限られた地区ばかりで開催されるオリンピックに何の価値があるのか。大会が金持ち国の都市でしか開催されないとしたら、それはオリンピック憲章の根本原則に反している。公平で平等を礎とするスポーツの世界観から逸脱している。

 とはいえ、スポーツはある程度の経済的余裕を土台になければ成立しないことは事実。だからこそ、経済力を特定の場所に集中させ資本を独占したまま一部の人々のためのスポーツとするのか、それとも経済力を拡散して資本を公平に分配し、より広い地域で、より多くの人々がスポーツを楽しめるように助け合うのか。

 2020年第32回夏季オリンピック大会はトルコのイスタンブールこそが相応しい。南アメリカ初のリオデジャネイロにつづいて、イスラム圏で初めてオリンピックが開催されるからこそ意義がある。つづいて中東地域や中央アジア、そしてアフリカで開催されることが望ましい。似た様なところで繰り返しオリンピックを開催する必要はまったくない。

 日本の一流?アスリートたちよ、あなたたちは東京オリンピックを本気で望んでいるのですか。操り人形となり利用される自分が情けなくないですか。アスリートたちよ、真のスポーツ精神を発揮したらどうですか。 評論家の玉木正之さんよ、猪瀬直樹東京都知事を応援するなんてどうかしてますよ。都民の方々よ、東京オリンピックに冷水を浴びせ盛り下げてください。