世界一周あれこれ

 誰もが世界一周を夢見たことがあるだろう。私だって時間とカネに余裕さえあれば世界一周の旅をしてみたい。そこでどんな世界一周が楽しいだろうかといろいろ思い描く。

 飛行機を乗り継いで、2〜3日であっという間に地球を周回するのも世界一周かもしれないが、それでは旅行した気分にはなれない。一人であてもなく大陸や島々を渡り歩き、カネが無くなれば地元でアルバイトをしながら時間をかけて世界の隅々を見聞できればこんな素晴らしいことはないが、残念ながらそんな放浪をする決意も勇気も持ち合わせていない。世界地図を眺めながらあれやこれやと想像しつつ、結局どこにも行けないまま終わるのがオチである。

 世界一周なんて夢のまた夢。実際に行動はできないので想像の旅に耽る。豪華客船に乗って七つの海を航海し、何カ月にも渡り各地を寄港しながら世界遺産めぐり――なんていうのが世界一周のイメージだ。そんな旅ができたらどんなに楽しいかと思うが、しかし美しい場所ばかりの観光は表面的で世界を本当に知ることなどできるはずがない。

 同じ船旅でも「ピースボート」が主催する世界一周はなかなか面白そうだ。約3カ月、100万円ほどでボランティアをしながら世界の人々と交流できるというから魅力がある。

 ひねくれ者の私だからちょっと変わった方法を考える。潜水艦に乗ってただの一度も浮上せずに七つの海を潜航しながら世界一周する。そんな世界一周のどこが楽しいかと言われそうだが、確かにあまり楽しくはないだろう、むしろ自己鍛錬そのものだ。

 それにしても、北朝鮮朝鮮民主主義人民共和国)の人工衛星打ち上げ失敗による日本の大騒ぎは一体何だろう。 ロケットを打ち上げれば失敗もするさ。米国もロシア(かつてのソ連)も何十回も何百回も失敗してきたじゃないか! 日本も国産ロケットを何度も失敗してるじゃないか! なんでこんなに大騒ぎするんだ!

 北朝鮮もデタラメだが、日本も相当にデタラメだ。こんなデタラメな情況にオサラバして潜水艦で世界一周の旅に出よう。ひさし振りに浮上してみると世界の景色が一変していたら面白いだろうな。世界一周を夢見ながら、ついでにSFの世界にまで翼を広げていろいろ想像するのも悪くない。