最も大切なもの

 政治経済のデタラメ、不穏な国際情勢…それらで腹が立つことは多い。人間関係でイザコザは付きものだし、一人になっても思うようにいかないとイライラする。

 身近で腹が立ついくつかの典型として、高い買い物をしたのに全然納得できなかったり、期待するほど機能を果たさなかったりすること。例えば、レストランの食事がとても不味いとか、あるいは電子機器がサッパリ動いてくれない…等々。

 毎日の生活で最も大切なものは何かと考えれば「命」と言うのは簡単だ。しかし、その大切な命がより良い命となるために何が必要かと考えた場合、「金(カネ)や地位や名誉」のような俗物的なものから、「愛と自由と平和」のような抽象的なものまでいろいろ浮かぶ。しかしあえて言うならそれは「時間」ではないか。

 子供の頃はタップリあったので全然自覚しなかったが、年を取ると時間のありがたさを実感している。生きることは死に向かってひたすら時間を費やしてるわけで、日々減少してゆくそれは本当に大切にしなければとつくづく思う。

 私は最近、IT機器関連のトラブルで振り回されてる。プリンターがうまく印刷しなかったり、wiFiが突然繋がらなくなったり、表計算ソフトで初期的なことが操作できなくて嘆いたり、スピーカーのon・offが一定せずリセットを繰り返したり、USBメモリーが読み込めなかったり…。

 「なぜだ、どうすれば直るんだ!」こうして私はいつも想定外のトラブルで貴重な時間を食いつぶしてばかりいる。有意義な時間を過ごしたいのに何たることか。

 恥ずかしながら私の知識不足が原因。実は、IT機器関連のトラブルはネットで調べればほとんどが対処可能。ところが、その「調べる」という発想そのものがすぐに出てこない。いかに頭が固くなってしまったかということ。

 自身の焦りと怒りで日々を過ごし、その貴重な時間を益々減らすとしたらある意味悲劇かもしれない。一度呼吸を整え、身の回りを確認したい。わずかでもいい、ゆっくりとした時間を味わえたらどんなにいいか。