変化の兆し?

 私の地元(石川県金沢市)で昨日5日(日曜)金沢市長選と市議補選、並びに県議補選のトリプル選挙が実施された。関心が高かったのは金沢市長選で、結果は前職の山野之義氏が対抗馬と見られていた自公推薦の下沢佳充氏を大差で破り当選した。

 今回の金沢市長選、前職の山野氏が競輪場外車券売場の設置計画で知人への利害誘導疑惑の責任から任期途中で辞職、出直し選挙になったわけだが、選挙期間中は自公が推薦する元森喜朗首相の秘書を務めた下沢氏が注目されかなり有力と見られていた。

 山野氏と下沢氏の接戦が予想されたが、蓋を開けてみれば、山野氏が約9万5000票、下沢氏が約3万5000票。3倍近くもの差をつけて山野氏が再選したことは意外だった。

 下沢氏には馳浩氏や丸川珠代氏など現職自民党議員も応援に駆けつけ全面的にバックアップ。下沢氏は森喜朗氏の後継者のような存在で、いかにも従来の自民党的存在だっただけに、保守王国石川・金沢での下沢氏の敗北は自民党の敗北と重なり、下沢陣営のショックは相当だったようだ。

 当選した山野氏も元々は自民党なので、山野氏であろうと下沢氏であろうと大した違いはないかに見えるが、自公が正式に推薦した現安倍政権の地方版のような下沢氏ではなく、党派から一切推薦を受けなかった山野氏が当選した事実は無党派の勝利で影響はかなり大きいと思う。

 また、市議補選と県議補選では共産党から立候補した新人がそれぞれ当選し、逆に市議補選では自民党新人候補が落選するなど、これまでとは違った展開になった。投票率は47.3%で前回の35.93%を大きく上回ったことも影響したに違いない。

 金沢のような地方では安倍政権が十分に信頼されているわけではないことを実感する。株価が高いだけのアベノミクスへの雰囲気と期待だけで支持されているようなもので、不信が募れば将来への不安とも相まって安倍政権がガタガタになる事態が一気に進む。

 消費税が8%から10%になれば中小零細企業は圧迫され地方は益々疲弊するだろう。年間の消費税を納めなければならない来年3月、そして4月以降はどうなるか。自殺者がまた増加することも予想され、このままでは日本経済の先行きは暗い。多くの庶民は右翼タカ派丸出しで突き進む政治に疑問を抱き始めた。安倍政権と自民党の崩壊は近いかもしれない。