イメージの変化

 同じ種類のモノと長く付き合えば、人は慣れのせいでなかなか変わりたくなくなる。パソコンのOSがWindowsしか知らないと、よほどのオタクか研究者でなければ異種のOSを搭載したパソコンに変更したいとは思わないだろう。私も人並みにパソコンは持っているが、ワープロを使い、インターネットでサイトを覗いたりする程度。だから、最低限の機能があればどんなパソコンでも構わず、たまたま時流に乗って大多数の人々が利用するWindowsのお世話になっているに過ぎない。ただし、これまでは――。

 しばらく前までアップル製パソコンのイメージは、デザイン系の人々が仕事に使うか、仕事よりも趣味や遊びに利用する個人のためのマシンだった。しかし僅か5年ほどの間にiPhoneiPadが一挙に大衆に浸透したことで、少なくとも私のアップルに対するイメージはすっかり変わり、電器量販店に行くとiMacがとても斬新に見え、Windowsのパソコンがダサく思えてきた。

 日本語の変換効率が悪いとか、拡張性がないとか、互換性がないとか、さらによく故障するとか、これまでどちらかと言えば悪い印象が強かったアップルのパソコンだったが、最新のiMacはまったく違うらしい。Windowsを簡単にインストールできて、MacWindowsの両方が動作できるようユーザーに配慮している。Windowsの顧客を徐々に自陣に取り込もうとするのがアップルの戦略のようだ。

 いまだ圧倒的シェアを誇るマイクロソフトだが、タブレットスマートフォンでは苦戦しているようで、Windows8も噂ばかりが先行して果たしてどうなることやら。栄華を極めたものはいずれ衰退してゆくだろう、その兆しは既に始まっているのかもしれない。アップルとて時価総額で世界一に君臨したが、これから先は予測不能だ。グーグルもフェイスブックもあまりに短期間に頂点を極めたので、だからこそ不安の影が付きまとう。

 日本ではSNSミクシィが数年前に大流行したが、いまではすっかり落ち着いた。最初は面白いと思ったが、個人的にあまり好きな仕組みではない。積極的に利用したいという気持ちにはどうしてもなれない。ミクシィに深く関わることのない私なので単なるイメージに過ぎないが――。