威張る者は必ず滅びる

 あのローマ帝国でさえ滅亡したのだ。秦の始皇帝も、モンゴルの元も滅びた。無敵艦隊のスペインも、大英帝国も没落した。栄華を極めたものは必ず転落する。20世紀にはソ連が消滅した。今現在、米国が君臨しているが、いずれ必ず衰退するだろう。同じように、日本も「経済大国だった」と過去形で語られるときが近いうちに来る。

 威張る者は力を誇示するため様々な策を弄する。しかし、どんな手段を用いても、時代の変化がいつまでも力の誇示を許すはずがない。そして、だからこそ、威張りたがる者は益々手段を選ばなくなる。あの手この手の策を弄しながら、力の誇示を図ることで結局は墓穴を掘ってしまう。

 力を誇示したいがため墓穴を掘るような、そんなみっともない恥を晒すことがないためには、自らの意思で弱者への道を選ぶしかない。弱さを自ら曝け出すことは恥ではなく、むしろ逆で、それこそが強さの証明なのだ。本当に、真に、強くなりたければ、自らの弱さを露呈すべきであり、その勇気に周りの多くは心打たれるに違いない。

 世界にちょっと眼を向けるだけで、みっともない事象がいくつも見える。チュニジア、エジプト、リビアの独裁者たちがいい例だ。朝鮮民主主義人民共和国北朝鮮)の崩壊は時間の問題だろう。イスラエルに未来はない。

 外国だけじゃない。直近の日本国内からも、出てくる、出てくる。何百億もの大金を損失させた大王製紙の三代目やオリンパスの歴代社長、そしてプロ野球読売巨人の渡辺恒雄。彼等は恥ずかしくないのだろうか。彼等のもっとも恥ずかしいところは、自分自身の恥さらしを恥だと自覚できないこと。威張りたがる者の末路である。

 さらに、決定的な証明として日本の電力会社がある。東京電力をはじめとする10の電力会社は独裁国家に等しい。すなわち日本は10の北朝鮮が支配してるようなもので、このままでは日本が衰退して滅びるのは必然ではないか。日本を救う道は独裁からの解放であり、自らの弱さを正直に告白することだ。

 弱さを自覚できるのは内なる強さの証であり、弱さを隠して威張りたがることほど惨めなことはない。

 日本や米国には、今後二つの道が残されている。ゆるやかに衰退する下り坂を歩むか、それとも虚勢を張りつづけて破滅するか。前者を選ぶしかないことは分かりきっている。