自分の過去を省みて

 スーパーで食材や生活用品をカゴに入れレジに並んでいると、決済を済ませてもレシートを受け取らなかったり、あるいはそれを受け取っても即ゴミ箱に捨て、その場から離れる人を時々見かける。

 今や電子化が進みレシートが自動的に出てくる時代だが、中には自分のそれを出しっぱなしにして立ち去る人もいて、そんなことするのは背広姿の中高年男性である。なんで先の人の残したレシートを後の人が処理せねばならないのか、せめて自分のものくらい自分で始末してくれよ。

 レシートに無関心な人は、無責任いうか無頓着というか、こんな人たちの毎日の生活はどうなってるのだろう。自己管理が甘く、家や部屋の様子が大体想像できる。正直、こんな人たちとは友達になりたくないし、ましてや一緒に暮らすなんて真平ごめんだ。

 こうして文句を言いながら、じつは私も昔は自己管理が相当甘く、会社員時代はお金に関してかなり大雑把だった。家計簿をきちんと付けるようになったのは脱サラして自分の店を構えてからである。

 お金の管理以外にも、これまでの人生で私には多くの反省すべき点が多々あるが、その一つに欲しいものを買ったはいいけど、せっかくのそれを全然有効活用しなかったことだ。

 例えば電気機器会社に勤めていたとき、勉強しようと仕事に関連する書籍をいろいろ購入、しかし最初から最後まで読破した本は一冊もなかった。同じく、外国語(英語)の勉強をしようと、これまた参考書をたくさん買い揃えたが、それらは本棚に並べられただけ、部屋を飾るだけで年月が過ぎて行った。

 さすがにそんなことではダメだし勿体無いと思うから、今は購入したものは使いこなすし、本などは一応読み通すようにしている。興味を抱いたものは触ってみなければその良し悪しは分からず、面白そうな本も難しく理解できなくても、とにかく眼を通さなければ心に響くことはない。