ささやかな自慢話

 先週はずっと最高気温が34℃前後の金沢だったが、35℃の猛暑日を記録することはなかった。今週の最高気温は33℃~34℃とピーク時よりまた下がるらしく、これから少しずつ過ごしやすくなるだろう。

 それにしても、暑いからとエアコンを点け、窓を閉めてカーテンで陽光を遮った暗い部屋は不健全極まる。窓は開けられないが、わずかでもカーテンをずらして外の景色を見たい。青い空、樹々の緑、風に揺れる葉、明るい陽光…自然の一コマを眺められるだけで人は幸せを感じるのだから。

 これまでごく平凡な人生を送ってきた私である。特別な技量もなく、ほとんど目立たずに生きてきた私。そんな私にも一つや二つの自慢できることはあり、例えば22歳の時東京に出て55歳の時帰郷したが、じつは私の全33年間に及ぶ東京でのアパート暮らしは、フロなし、エアコンなし、トイレは和式だった。

 引っ越しは何度かしたが、どのアパートにもフロやエアコンや洋式トイレはまったく整備されてなく(金がなかったから安アパートにしか住めなかった)、今から振り返るとよく生きてこれたなぁと自嘲気味にちょっぴり自慢したくなる。

 特に帰郷するまでの11年間は夜の商売をしていたから寝るのは朝の7時頃から昼の2時頃にかけて。完全に昼夜逆転の生活。真夏の季節には窓を全開、しかし眩しいので遮光カーテンを閉め、扇風機を回して寝ていた。よくも熱中症にならなかったと自分に感心せざるを得ない。

 さて、このクソ暑かった夏もお盆を過ぎて、ようやく従来の夏に戻りつつありホッとしているが、本当に今夏ほどエアコンを活用したことはなかった。

 我が家には一階に2台、二階に1台、計3台のエアコンがあるが(引っ越した時すでに設置されていた)、内2台は20年前の製品、残り1代は11年前の製品だ。11年前のエアコンはともかく、20年前のエアコンにいつまでも頼るわけにはいかない。

 もし猛暑の最中にエアコンが壊れたら…と想像しただけで恐ろしく、この夏が終わってから省エネタイプの新品に交換することを決断した。11年前の製品はまだまだ活躍できそうだが、面倒なので、余裕があるうち3台全部同時に取り替えることにする。

 日本の真夏は35℃が常識になってしまった。「地球温暖化は終わり、地球沸騰化が始まった」と国際連合のグテーレス事務総長は発言していたが、近い将来、夏になれば日本各地も南ヨーロッパ並の40℃超えが普通になるかもしれない。