はじめての恐怖

 冬は積雪量が気になり他の季節に比べ天気予報をより注視する。みぞれやあられ程度なら全然平気だが、何日も雪マークがつづく予報を見ると不安になり、そして雪が降り出し、それがどんどん激しさを増し止みそうもないと、いったいどこまで積もるのか不安から恐怖へと変わる。

 以上は北陸金沢に住む私が冬の最中、雪に抱く感情である。季節を問わず強風や豪雨に関しても多少の差はあれど同じ気持ちを抱くが、ただ暑さに関してこれまでどんな夏を迎えようと全然心配してこなかった。

 ところが今夏は違う、あまりに暑過ぎる。連日のとてつもない猛暑に不安を超えだんだん怖くなってきている。夏に恐怖の念を抱くのは初めてだ。

 7月の最週から8月初めにかけては一年で一番暑い時期だが、なんと今年はこれからもまだまだずっとつづきそうである。35℃と聞いただけでウンザリするのに、さらに暑くなるらしい。

 風通しを良くするため窓を全開、風鈴の音を聞きながら、明るい日差しの中、陽光をいっぱい浴びて夏を思う存分満喫したい…と思うけど、そんなことしたらトンデモナイことになる。

 現実は真逆。窓を閉め切り、カーテンを引き、外からの大気も光も遮断、昼間から電灯を点け、エアコンを作動、扇風機も回す。まるで洞窟で生活してるみたい。これが現在の夏の生活。

 39℃、これは先週木曜(3日)に記録した石川県小松市の最高気温、その日の全国一だった。金沢市でも36℃まで上昇、外に出るのが危険な状況だった。

 全国で猛暑日がつづく中、ついに5日(土)福島県伊達市で40℃を記録した。今週、金沢市は最低気温ですら30℃、最高気温が38~39℃の予報が出ている。信じられない。災害級ではなく、この暑さは災害そのものだ。