ペットを飼う必要がない恵まれた環境

 世はペットブームだそうで、動物を飼う人は多い。特に犬と猫はペットの代表格だが、鳥を世話する人は昔から多いし、爬虫類好きな人もかなり居る。それらの動物だけでなく、水槽で金魚や熱帯魚など観賞魚を楽しんでる人もよく見かける。

 私も動物に興味があり、中でも猫は好きだが、しかし飼うほどまでの気持ちには至らない。飼うには責任が伴うが、今の私にそれを負担する余裕はない。

 実はペットを飼う必要がない環境で今の私は生活している。なぜなら、小さな家で狭い敷地なのに多種多様な動植物が周りに生息しているからだ。雑草が生え、カナヘビ(トカゲ)がうろちょろ、クモが巣を張り、ダンゴムシが動き回り、アリもたくさんいるし、時々カタツムリも見かける。

 近所を歩けば野良猫がけっこういて、私は時々手を挙げ挨拶をするが、猫たちは私をほとんど無視。でも、彼らの姿を見てるだけで私はずいぶん癒される。

 敷地内では、梅雨には紫陽花が咲き、秋から初冬にかけ南天が赤く実る。蝶が舞うし、野鳥は飛んで来るし、私の家の周囲はかなり賑やかだ。日々多くの生物に囲まれ、だから私はペットを飼い世話する必要などないというわけ。

 秋も深まる今日この頃、南天の樹の実がいつの間にか真っ赤に熟し、午前中の陽光をいっぱい浴びながら光ってる。たくさんの実が枝に垂れ下がり重そうだが、おそらく今年中にそれらのほどんどは野鳥に啄まれてしまうだろう。

 去年も一昨年もそうだった。年が明けた頃には既に南天の樹は丸裸にされ、真っ赤に熟してた実は一粒も残っていなかったから。気付かぬうちに野鳥の餌になっていたのだ。

 野鳥たちはいつ飛来したのだろう、夜間か。もちろん昼間に彼らの姿を見ることはあり、その多くはヒヨドリだが、以前はレンジャクを見て驚いた。レンジャク、こんな鳥が街中に住んでいるとは。また飛来して欲しい。