宇宙・地球・人間

 今、火星が地球に大接近して晴れた夜など一際赤く輝いて見える。火星だけじゃなく、金星も木星も明るく輝きとても美しい。陽も暮れて、夜の7時半から8時頃には、南東の空から西方にかけ、光り輝く火星・木星・金星が並んで壮観である。

 火星と木星の間の南方にはサソリ座のアンタレスが見えるはずだが、視力の低下と大気の汚れからか確認することがでず残念。満天の星を眺めたいが、金沢市内からは不可能。身近な場所では、白山に登るか、奥能登にでも出かけなければ無理だろう。

 もう25年ほど前になるだろうか、初めての海外旅行でオーストラリアのケアンズを訪れたが、その時に天の川や南十字星をはじめ無数の星を眺めることができた。以来、満天の星を見たことがなく、もう一度たくさんの星を仰ぎたいと切望している。

 星を眺めながら宇宙の深遠に想いを馳せると、つくづく人間のちっぽけさを実感する…と同時に、だから人間は少しも偉い存在ではなく、もっと謙虚にならなければと痛感せざる得ない。

 「今もし地球上から昆虫がいなくなれば、50年後に地球は絶滅するだろう。逆に、今もし地球上から人間がいなくなったら、50年後の地球は益々繁栄しているだろう。」

 上記はある科学者の意見だが、私にはとても説得力があり、紛れも無い事実ではないかと足下をつい直視したくなる。人間とは何か? 人間は地球上でどう生きるべきか?それらの問い掛けをこの意見は示唆してくれる。

 実際、人間が「生産性」を高めれば高めるほど、じつは、地球にとって迷惑千万ではないかと思う。生産性の有無で価値を決めるのは何と馬鹿げたことか。原発核兵器、異常気象…これらの現状を目の当たりにすれば、人間はもっと謙虚になるべきで、そして地球(自然)との共存共栄を目指さなければ…私たちの未来は拓けない。