昔と今

 大型台風18号日本海から北陸方面に近づいた5日(水)の夜、金沢もかなり強い風が吹き始め、私はかなり緊張していた。なにしろ久しぶりの襲来だったので。

 最大風速35メートル、瞬間最大風速45メートル、こんな台風でも直撃したら私のオンボロ家などひとたまりもない。しかし、速度を一気に早めた台風18号能登半島沖を通過した頃に温帯低気圧になり、私はホッとした。

 しかし翌日、朝刊を読んで驚く。昨夜の台風18号「金沢で風速43.4メートル 過去最大」、瞬間最大風速が観測開始以来最も強かったというのだ。

 確かに昨夜は風が強く、部屋にいても落ち着いてネットサーフィンなどできなかったが、それにしても過去最大の風速だったとは。真冬になれば感覚的にもっと凄い北風が吹くことなどザラだから。

 私が小学生の頃かなり強い台風が金沢を直撃したことがあり、あの時の暴風雨が今でも蘇る。その台風一過の翌日、近くの河川に出てみると、なんと、上流に掛かる木造のS橋が端から端まで完全に崩壊していた。驚きを超越し、その光景をただポカンと眺めていたことを思い出す。

 数字だけで比較するなら、昨夜の風は、S橋を崩壊させたあの時の風よりも強かったということ。この半世紀の間に、建築物の構造が強化されたことは間違いないが、しかし、年を重ねるに従い自分の感覚が鈍くなってきたことも確かなようだ。