舛添も細川も信用できない

 東京都知事の立候補者がほぼ揃い踏みし、選挙がいよいよ本格的に始動することになった。金沢という地方都市で暮らす私にとって直接関係ない選挙だが、やはり1300万人を要する日本の首都である東京都知事選挙は、日本全土に影響を与えることは間違いないと思う。

 主な顔ぶれは、宇都宮健児舛添要一細川護煕田母神俊雄ドクター中松といった面々。これら立候補者の中では、総合的に判断し、私は宇都宮健児氏が一番まともではないかと判断する。その理由は、脱原発を掲げ、なによりも弱者の立場から発言しているからである。

 有力候補の舛添氏と細川氏だが、私は彼らを信用しない。

 まず舛添氏だが、ついこのあいだ自民党を飛び出たにもかかわらず、離党したことを「申し訳なかった」と謝罪して権力におもねる姿勢はじつに軟弱だし、さらに東京オリンピックを盛り上げることを公約の第一に掲げるなんて現実をあまりに軽く見すぎている。

 細川氏脱原発を声高に掲げ、同じ脱原発という価値観を共有する小泉元総理を強力なバックアップとすることから、ある意味最有力かもしれないが、しかし首相経験者だった細川氏も小泉氏も首相のときに何をしたのか、それを少しでも思い出せば大いなる疑問符?が付くのである。

 田母神氏について。航空自衛隊の幕僚長まで務めた人物とはいえ、しかし彼の歴史観や思想を知れば知るほど、彼の指示で戦になったら(過程の話で、絶対にあってはならないことだが)航空自衛隊は作戦の失敗で壊滅するだろう。これほど政治家に不向きな人物はおらず、田母神氏など論外である。

 ドクター中松氏はそれなりに面白い人だと思うが、残念ながら当選の見込みはまずない。

 今回の東京都知事選において最重要争点は原発問題と貧困問題である。これらの問題は東京だけでなく全国的な意味を持つ。脱原発をいくら推進しようと貧困問題に背を向けるなら、格差が広がり不公平・不平等が蔓延し社会は益々アンバランスとなる。じつは脱原発と貧困は根本において人間の生き方とリンクしている。

 貧困問題を口にしない細川氏も小泉氏も、そして舛添氏もまったく信用できない。