ちょっと面白くなってきた

 総選挙公示まで一週間を切ったところで政界が、ちょっと面白くなってきた。滋賀県の嘉田知事が「日本未来の党」を立ち上げたことで、第三極の勢力図が変わろうとしているからだ。「未来」にはかなり怪しげな人々も参加してるので疑問符?は付くが、党首の嘉田由起子さんはなかなか魅力的である。

 そもそも「第三極」とマスコミが騒ぐこと事態がちゃんちゃらおかしく、民主も自民・公明も維新も同じ穴のムジナ、それらは保守・右翼の第一極に過ぎない。土壇場でそれら第一極に対抗する第二極(実際は1.5極程度)がようやくまとまる形となりそうだ。

 史上最悪の昨年3・11の原発事故からまだ一年半しか経っておらず、現在も放射能は撒き散らされ、4号機の使用済み各燃料棒も搬出されてない不安定な状況がつづく。原発は日本国民全員が背負う重大課題であるにもかかわらず、原発事故後初の衆議院選挙で原発の是非が最大の争点にならないとすれば異常である。

 原発に関し、民主党は曖昧だし、自民党は過去の責任逃れのためひた隠し、維新は脱原発から完全に脱落(元々維新の脱原発はポーズだけで嘘っぱちだった)。これら保守・右翼の第一極が原発推進勢力なのは明らかである。口先だけの勇ましい言葉にはくれぐれも騙されないようにしたい。

 多くの政党が乱立して争点が分かりにくいとの声を聞くが、それはマスコミが大衆を操るためのデマに過ぎず、今回の総選挙の争点はとても明快だ。原発推進か反原発か、これからのエネルギーをどうするのか。そしてエネルギーを基にした経済システム、さらに税や社会保障、そして外交へと、すべては原発の是非から出発しなければ今後の日本は成り立たないはずである。

 総選挙の結果は果たしてどうなるだろう。しかし各政党の色分けはハッキリしている。政党同士が一緒になれば「野合」の批判は必ず出てくるが、野合とは政策が違う物同士に当てはまり、政策が同じなら野合ではなくそれは「連合」だろう(ただし本気度が問われる)。

 少なくとも、カビの生えた古くさい「維新の会」より「未来の党」の方がスマートでまだ希望が持てる。老舗の共産党社民党脱原発・反原発では一致している。間近に迫った総選挙、野合ではなく連合・連携で日本の針路を示してほしい。いずれにせよ、日本人の民度が問われる選挙になることは間違いない。それにしても、テレビに出る自民や維新の応援団のような政治評論家たちにはただただ呆れる。